《リポート》発電の現場から都市農業の明日を視る ~神奈川県農業用水小水力等発電協議会・農業用水を活用した小水力発電所現地視察研修ツアー

[画像・上:相模川左岸THK発電所を視察する一行]

10月中旬、神奈川県農業用水小水力等発電協議会(神奈川県横浜市)の主催で、農業用水を活用した小水力発電所現地視察研修ツアーが行われた。

訪問先は山梨県韮崎市、北杜市、そして神奈川県座間市内の3カ所。どれも地元密着の発電施設だ。

座間市内の水車は実証試験機で、発電機は相模川左岸幹線用水路に約1カ月前設置された。想定発電量は140kWh月で、開発したのはTHK(東京都品川区)だ。

現地は典型的な都市農業地であり、売電目的よりも地産地消型に向いている。この発電設備も、土地改良区の電気炉湯運用費などの維持管理費節減を目的としている。

現地の平坦な土地柄では、用水路での少ない水流量・水位差という環境に適した、小型・高効率性・低コストなどの特性が水車に求められる。

このTHK製の水車は、水流を用いて発電する。よって水位差を必要としない。内部構造についても、回転部のベアリングなど細部にわたってこだわり、高効率性を追求した。

同水車のブレード(羽根)部は枠のみの構造で、そのサイズは縦500×直径600mmとひじょうにコンパクト。ペットボトルなどが流れて来ても素通しできるので、浮遊ゴミ詰まりのメンテナンスを軽減できる。既存設備のような大掛かりなフィルターは不要だ。

さらに周辺機器のコンバーターやウェイブインバーター、バッテリー類もコンパクト。全てが半坪程度の敷地に収まる。

同視察ツアーについて参加者は「百聞は一見に如かず。小水力の発電施設の従事者の生の声が聞けて実機も見られるなど、小水力の生きた事例に間近に触れられ、貴重な体験ができた」と感想を述べた。

一方、主催した同協議会は「農業用水を活用した小水力発電事業は全国で約45カ所の発電施設が運用されているが、新しいタイプの水車も開発が進められています。こうした時流を背景にしてか、最近とみに各方面の関心の高まりを感じています」と最近の動向を語る。

今後の展開として県は、この小水力発電設備を水門操作や遠隔監視システムの補助電源として活用する計画を持つ。さらには、蓄電システムを組み合わせた多用途利用も想定しているとのことだ。

 

《外部リンク》

神奈川県「神奈川県農業用水小水力等発電推進協議会について」(2014/5/30)

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