《自動車が挑む「新エネルギー」 ~東京モーターショー2015を振り返る》第3回:よりコミュニティに密着した存在としてのFCバス。【日野自動車】燃料電池発電から始まる新たな都市交通連携

日野自動車が東京モーターショーで展示したのは、燃料電池(FC)バスのコンセプトモデルである「フューエルセル・バス」だ。

[画像・上:日野自動車が東京モーターショーで展示した燃料電池バスのコンセプトモデル「フューエルセル・バス」外観]

現在日野自動車は、商用投入に向けFCバスの開発を進めている。FCスタックや蓄圧タンクなどの開発はグループの親会社であるトヨタ自動車が担当。燃料電池車(FCV)であるMIRAIと基本構造を共有している。日野自動車はシャシなどのバスの車体部開発を担当している。

このデザインコンセプトモデルも、機能面では開発車両をそのまま踏襲しているとの前提で構築された。つまり、蓄圧タンク8本で480ℓの水素容量(MIRAIだと大小2本で合計約122ℓ)、FCスタック2基(最高出力114kW×2基/155PS×2基)などの装備を持つことになる。

このコンセプトモデルでも、開発中の車両と同じく蓄圧タンクの設置場所はバスの屋根部分だ

このコンセプトモデルでも、開発中の車両と同じく蓄圧タンクの設置場所はバスの屋根部分を想定

定員人数の多いバスは言うまでもなく公共交通のひとつであり、それだけに1台でよりコミュニティに密接した存在となる。そこで、FCバスでは通常の運送に加え、外部給電の機能でも公共性を発揮することが期待されている。開発中のモデルでも水素とスタックの搭載容積の大きさから、出力9.8kW、電力量約250kWhという大きなエネルギーを生むことができる。体育館や地域の集会所ほどのスペースの建物に、照明や給湯などを約5日間分供給できる発電能力だ。災害時には避難所の電源としても活用が期待される。

電動アシスト自転車用の充電スタンド牽引車を展示

電動アシスト自転車用の充電スタンド牽引車を展示

今回展示されたフューエルセル・バスでは、バスの持つ公共性と、FC車両の持つ発電能力を融合させた例のひとつとして、電動アシスト自転車用の牽引車が提案されている。自転車の充電スタンドごと牽引し、スタンドスポットで充電、その後切り離す、といった使用方法が想定されている。

手軽でクリーンな街中の移動手段として、シェアリング事業が広まる気運のある電動アシスト自転車。一方東京都は2020年までにFCバスを100台以上導入することを目標に掲げている。

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