【つちゆ温泉エナジー】温泉井を活用しバイナリー発電。復興再生に向け、まもなく稼働開始

福島県の土湯温泉において、温泉の源泉井戸を活用した地熱発電所「土湯温泉16号原泉バイナリー発電所」が完成した。9月25日に発電機と原泉をつなぐ作業が完了し、現在、稼働に向けた最終調整を行っている。

[画像・上:土湯温泉16号原泉バイナリー発電所]

事業者は、つちゆ温泉エナジー株式会社。東日本大震災と原発事故からの復活再生を目指して、地元温泉組合が中心となって計画を進めてきた。発電用に新たな掘削を行うことなく、既存の温泉井を活かして発電システムを構築したことが大きな特長だ。このためリスクを伴わずに、地熱資源の有効活用が可能になったという。温泉に悪影響がないことも、長期間の調査によって確認されている。

発電設備は米国オーマット社製で、JFEエンジニアリングにより施工された。出力は400kW、年間発電量は260万kWh。発電した電力は全量、固定価格買取制度により東北電力に売電し、年間約9,800万円の売電収益を見込む。
将来的には、発電に伴う熱(温泉成分を含まない温水)の有効活用として、魚の養殖事業も予定されている。土湯温泉としては、震災前の賑わいを取り戻すというだけでなく、発電事業を通して温泉観光地の将来を占うモデル地域の構築を図っていきたい考えだ。地熱発電以外にも、砂防堰堤の落差を活用した小水力発電事業を行う(今年4月稼働)など、既に様々な取組みが形になっている。同地が掲げる復興再生のテーマ「訪ね観る誰もが憩う光るまち」が実現される日も、そう遠くはないだろう。

なお、今回の土湯温泉における地熱発電は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による債務保証対象事業として実施された。同事業は、地熱発電所の建設に必要な資金の融資を民間金融機関から受ける場合に、当該融資の80%を上限にJOGMECが地熱開発事業者の民間金融機関への債務を保証するというもの。民間金融機関だけでは評価できない地熱資源開発のリスクを評価し、民間金融機関による地熱資源開発への資金供給を円滑にするために行われる。土湯温泉の案件は、地熱発電として初めての債務保証対象事業となる。

土湯温泉全景

土湯温泉全景

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Find us on Facebook

アーカイブ

カテゴリー

ページ上部へ戻る