【イベントレポート】PVJapan2017/第12回再生可能エネルギー世界展示会① 昨年を上回る来場者で賑わう会場

今年も、恒例の再生可能エネルギー世界フェアが、7月5日(水)~7日(金)の三日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された。

[画像・上:テープカットを行う来賓及び主催者]

太陽光発電協会(JPEA)主催による「PVJapan2017」と、再生可能エネルギー協議会主催による「第12回再生可能エネルギー世界展示会」からなる同フェア。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を睨み、昨年からパシフィコ横浜で開催されている。今回は、昨年を上回る3日間累計2万6,938名(速報値)の参加者で賑わった。

「自家消費」にフォーカスするPV業界

太陽光発電といえば、このところのトレンドと言えるのが、やはり蓄電池との組み合わせ。産業用でも、北海道電力管内など、系統安定化のために蓄電池の設置が求められているが、展示会の目玉は住宅向けだ。

いよいよグリッドパリティに到達かと目されるFITの価格低下に加え、事態を加速させているのは2019年問題だ。

冒頭挨拶する太陽光発電協会代表理事の平野敦彦ソーラーフロンティア代表取締役社長

2009年当時に導入された家庭向けのPCSなどは、そろそろ交換を検討すべき時期となる。大手メーカーを中心に、蓄電池と連携し、自家消費を志向したシステムや、蓄電池を後付けできるPCSなどが様々紹介されていた。

もちろん、住宅向けのモジュール市場は引き続き堅調。屋根置きを意識し、最新型のモジュールも色彩、形状などに各社が工夫を凝らす。HEMS連携はもちろん、V2Hシステムとの統合といったアプローチも興味深い。

「パワコン」から、「オプティマイザ」+「インバータ」へのシフト

いくつかのブースで見られたのがストリング単位やモジュール単位で最大出力点をトレースしながら、DC/DCコンバータで接続箱等での電圧を揃える製品群。日本市場では、古くはニプロンのPVマキシマイザーなどが知られているが、ソーラーエッジやamptなどの製品が展示されるようになった。

オプティマイザと呼ばれることの多いこれら製品は、PCSからMPPT機能を切り離すソリューションとしての提案がなされている。ストリング毎の不揃いを調整するという段階から、システム全体での機能配置の見直しに移行したと言える。さらに、モジュールにMPPT機能を内蔵させた展示も見られた。また、DC/DCコンバータは蓄電池との連携でも重要であり、今後、普及の動向が気になるトレンドの一つだ。

風力・小水力・地熱などはもとより、太陽熱発電や潮流発電なども

一方の再生可能エネルギー世界展示会は、企業間のビジネスマッチングだけでなく、研究機関としてのシーズのアピールなど、興味深い展示が多いのが特徴。

もちろん、一般的な風力や小水力、地熱、地中熱といった分野などで成果や製品を紹介するブースも多いが、中には、集光型太陽熱発電(VSP)などで利用できる高温の溶融塩用のポンプや、潮流発電機などが紹介される例もあった。

大和田野芳郎再生可能エネルギー世界展示会委員長は、来年のグランド再生可能エネルギー国際会議開催もアナウンスした

また、アカデミックギャラリーでは、多くの大学や研究機関がブースを設置。普段なかなかニュースにはならない研究成果などに触れる機会だ。ビジネスチャンスを求めて続々詰めかけるという感じではないが、来場者が出展者と熱く議論する場面が見られた。

開会式でも触れられていたが、来年は、グランド再生可能エネルギー2018国際会議も予定されている。今は事業レベルではなくとも、次の技術トレンドや、イノベーションに繋がる可能性を秘めた展示が印象的だった。

 

《太陽光発電協会発足30周年記念講演》

今年は、太陽光発電協会の発足30周年にあたる節目の年。特別企画として、PVJapan2017初日の7月5日、13時30分から、パシフィコ横浜のアネックスホールを会場に、30周年記念講演が行われた。講演では、経済産業省新エネルギー課長の山崎琢矢氏、法政大学大学院教授で一橋大学特任教授の米倉誠一郎氏、そして太陽光発電協会ビジョン部会部会長の杉本完蔵氏が登壇し、太陽光発電の今後について語った。

太陽光発電の大量導入に向けた政策とは

最初に演台にたった山崎課長は、再生可能エネルギー政策の今後の展望と題し、まずは現状分析から新FIT制度について紹介した。

2015年は、発電コスト低下により、世界全体の既存発電設備容量で再エネが石炭火力を超えた記念すべき年だった。

国内でも、FITにより、太陽光の導入促進に成功。しかし、問題点もあり、改正法が4月から施行された。新制度は、太陽光発電の基幹電源化も狙いの一つだ。

後半では、今春経産省が行った「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会」での議論について紹介。

FITからの自立化のため、より市場を活用した制度への移行と、自家消費の促進がポイントという。

また、系統問題については、既存系統をうまく使うという考えも重要。空き容量が埋まっていても、一定の条件下で接続を認める「日本版コネクト&マネージ」導入などが議論されたと述べた。

2050年に200GW導入を目指す

JPEAの杉本部会長は、30周年の節目にあたって先月発表された新たな太陽光産業ビジョン「JPEA PV OUTLOOK2050」を紹介した。

脱炭素・持続可能社会の実現が最終目標と語ったJPEAの杉本完蔵ビジョン部会長

同ビジョンでは、現状からの予測だけでなく、最終ターゲットである脱炭素・持続可能社会からのバックキャストも踏まえ、2050年で200GW導入を目標とする。このためには、太陽光発電システムの進化とともに、セクターカップリングや低炭素へのインセンティブが必要という。

杉本部会長は、これからの未来のため、太陽光発電産業の力を結集して行こうと述べ、記念講演を締めくくった。

 

に続く】

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