【レポート】JCEP・小形風力発電事業セミナー(上)

日本クリーン環境推進機構(JCEP)は4月25日(火)、小形風力発電事業セミナーを開催した。同機構による小形風力発電の事業化支援の一環として、事業参入希望者などを対象として開催したもの。

[画像・上:熱心に聞き入る参加者。当初予定を上回り、椅子だけの席も設けられた]

再エネを東北復興の起爆剤に

冒頭挨拶を述べる石村理事長

小形風力発電については、相変わらず高い関心が続いている。一方、改正FIT法の施行により、留意すべき事項が増えてきている。また、事前調査が不十分だったため、採算性に難のある事業も見られる。このため、同機構では、事前の事業可能性調査の必要性をアピールするとともに、自らも調査サービスを提供している。

冒頭、挨拶に立った石村理事長は、同機構が、再生可能エネルギーの導入が、被災地東北の復興の起爆剤となることを願って活動を進めていることを紹介。小形風力発電については、地元の皆さんとひざを交えながら、最適な形での整備を考えて協力を重ねてきていると述べた。

「適地」に「適切」な設備を「適正」に建設

JCEPの鈴木和幸理事・事務局長

セミナーでは、まず、小形風力発電事業の現状と本格導入に向けた留意点について、同機構の鈴木和幸理事・事務局長から説明があった。セミナー参加者にとっては、調達価格55円や環境アセスメントが不要といったメリットは周知のこと。むしろ、売電収入が冬季に大きく偏ることや、風況マップを見るだけでは適地かどうか判断がつかないなど、気を付けるべき点を強調した。また、関係者に人気が高まっている青森県内で、ガイドラインを制定する自治体が増えていることに触れ、施設から民家などへの距離や騒音レベル、また、住民説明会などの必要性を指摘した。一言で言えば、「適地」に「適切」な設備を「適正」に建てることが肝要だという。
一方で、同機構としては、こうしたセミナー・講演会のみならず、政府に対し、調達価格の維持や、対象規模を50㌗まで拡大すること、また自然公園法の緩和などを求める活動をしていることも紹介した。

高性能な非線形シミュレータで風況予測

プレゼンを行う国際気象海洋の中島優香氏

続いてプレゼンを行ったのは、国際気象海洋の中島優香氏。同社は気象予報業務許可を受けているコンサルタント企業で、JCEPが提供する事業成立性基礎調査の特長でもある、風況シミュレーションを請け負っている。このシミュレーションで用いられるのが、風況解析ソフトウエアのMASCOT。東京大学橋梁研究室(石原孟教授)と水域ネットワーク社が開発した、3次元非線形風況シミュレータで、複雑地形における風況予測に定評がある。しかし、取り扱いには難しさもあり、購入すれば誰でも使えるというものではないとのことだ。

予測した風速をもとに、発電量を推定できるほか、設計風速の算出も行える。これは、50年に1度の暴風における10分平均極値風速で、風車規格上、クラスごとに定められている基準風速(Vref)を上回っている場合、建設予定地としては不適となる場合がある。

同社では単にMASCOTでシミュレーションを行うのではなく、JCEPが調査した売電金額実績との対比により、より堅実な発電量予測を行う。観測値と比較し、青森県大間町の事例で10%、同県風間浦村の事例で6%の誤差といった成果を得ているとのこと。

(下)に続く】

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