【三菱電機】直流配電システム実証棟の建設開始。スマートビル・スマートグリッドへ直流配電をさらに展開

[画像:三菱電機「中低圧直流配電システム実証棟」完成イメージ図(提供:三菱電機)]

火力・原子力などタービンを用いる発電やダム水力発電、風力発電などの大規模発電と、その電力を需要家に送る送電網。系統電源の発送電は交流で運営されている。交流の電気は周期的に電流の大きさと方向(極性)が変わるので、電圧が比較的容易に変換できる。電圧と電流は反比例の関係にあるので、電圧を高く固定すれば、電力損失量に関わる電流を小さくすることができる、よって電力損失量を小さくすることができる。これが、大規模発送電においては交流のほうが効率性と安全性を確保できることの電気的な根拠だ。

一方で、交流で送電されてくる電力を使用する側である機器には、テレビやエアコンなどの家電を含め直流を用いるものも多い。その場合は交流電力をインバーターで直流に変換する必要がある。この変換の際に電力の変換損失が生じてしまう。

この変換損失削減を目的に、現在直流配電の推進が各方面で進められている。話題になっているいわゆる「直流家電」もこの流れのなかの動きだ(現在のところ、交流/直流両対応を検討しているケースが多い)。

三菱電機もこの流れに対応する開発事業を立ち上げている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業での知見を基に、2013年7月にはデータセンター向けの直流給電システム「MELUPS DECO」を製品化。さらに鉄道架線(DC1,500V)用直流高速度遮断器等の製品も市場投入してきた。

この9月には、同社は直流配電技術のさらなる開発と普及促進を目指し、中低圧(1,500V以下)直流配電システム実証棟の新規建設を開始した。実証棟は香川県丸亀市の同社受配電システム製作所構内で進められている。製品のショールームを兼ねており、2016年4月の開所が目指されている。

中低圧直流配電システムは、電力損失の低減に加えて配線ケーブルの細径化や長距離化ができるので、設備コストの低減等が可能だ。また、太陽光発電やバッテリー蓄電池は直流で運営されていることを考慮すれば、今後はスマートビルディングやスマートコミュニティ、スマートグリッドへのさらなる展開も期待される。

<中低圧直流配電システム実証棟の概要>
所在地:香川県丸亀市蓬莱町8番地
実証棟建築面積:約180㎡(延床面積:約500㎡)
実証棟構造:鉄骨造/地上3階建
実証棟着工予定:2015年9月
実証棟稼働開始予定:2016年3月竣工予定/2016 年4月から順次稼働
投資総額:約5億円
導入予定機器:整流装置/太陽光発電/風力発電/蓄電池/EMS(エネルギーマネジメントシステム)/直流負荷設備ほか

 

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