【国際再生可能エネルギー機関(IRENA)】再エネ系統連系「ロードマップ」発刊。再エネ大量導入時代の課題を議論

[画像・上:「ロードマップ」発刊会見の席では、再エネの系統連系にまつわる講演も行われた]

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は10月8日、都内で会見を開き、再エネの系統連系に関するロードマップ「The Age of Renewable Power –Designing national roadmaps for a successful transformation(『再エネの時代 ~国レベルで系統連系を成功させるためのロードマップ』)」の発刊を発表した。同会見は、地球温暖化対策技術の国際会議ICEFの会場で行われた。

太陽光や風力といった再エネが大量に系統に連系されると、出力負荷の急変から電気の周波数状況が悪化するなどの諸問題が発生する。同書はそのような問題を考え、対処するための、技術的・政策的提言書だ。提言は、IRENAが世界各国の再エネを詳細に調査・分析し導き出している。

IRENAイノベーションテクノロジー所長 ドルフ・ギーレン氏

IRENAイノベーションテクノロジー所長 ドルフ・ギーレン氏

壇上に上がったIRENAイノベーションテクノロジー所長・ドルフ・ギーレン氏は「2014年ベースでも世界全体の再エネの約30%は出力変動がある。今後その比率がさらに上昇する国も多い。たとえばドイツであり、2030年には約50%が太陽光や風力になると見られている。再エネの大量導入に伴う問題は、地球規模の課題だ」と、この問題の重大性を改めて示した。

東京大学特任教授・荻本和彦氏

東京大学特任教授・荻本和彦氏

続いて講演した東京大学特任教授・荻本和彦氏は「再エネの出力変動に対しては、時間・日などはもとより、気候変動なども併せて長短の時間スケールで備えを作る必要がある。そのための方法として、様々な電源のマネジメントも、蓄電システムも、デマンドレスポンスも含まれるだろう。加えて重要なのは、これらのオペレーションがマーケットベースで行われることだ」と発言。大量の再エネを安定的に導入・運用するための「段階」を指摘した。

同書は各国エネルギーに関する最新のデータを基に構成されている。例えば、IRENAが設立された2011年から2015年現在の、ドイツ国内での電力価格を比べてみると、再エネ導入およびその対策が進んだ結果日中よりもむしろ日の出・日の入りの時刻のほうが価格=系統電力の需要のピークを迎える傾向にシフトしていることも報告されている。

系統連系だけでなく、世界の再エネの状況を知る上でも示唆に富むこの「ロードマップ」。閲覧・ダウンロードはIRENAの公式HPから行うことができる。

《外部リンク》

IRENA「再エネ系統連系ロードマップ」PDF

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Find us on Facebook

アーカイブ

カテゴリー

ページ上部へ戻る