【日本製紙】北海道・旭川事業所でバイオマスボイラー焼却灰リサイクル事業を推進

[画像・上:再生骨材の外観。同社旭川事業所では、バイオマスボイラーから排出された焼却灰に、セメント、砂利、水を加えて混練。振動加圧成型機で成型したものを乾燥・養生、破砕して製造している(提供:日本製紙)]

日本全国に400カ所、合計約9万haの社有林を保有する日本製紙。その森林経営をはじめとする山林事業のノウハウ、さらに安定した品質のチップ生産技術も持ち、総合的なバイオマス事業の展開を行っている。製紙工場における自家発電設備の運営技術を活用しバイオマス発電にも乗り出しており、2015年6月から同社八代工場(熊本県八代市)の敷地の一部を活用し「八代工場バイオマス発電所」を開所。燃料に間伐材などの未利用材を100%使用するバイオマス発電所(発電能力5,000kWキロワット)で、売電もすでに開始されている。また石巻工場(宮城県石巻市)が所有する雲雀野用地内に、三菱商事と共同で石炭・バイオマス混焼発電設備(発電能力149,000kW)を持つ「日本製紙石巻エネルギーセンター株式会社」設置を計画している。日本製紙石巻エネルギーセンターは2018年3月から電力の販売を開始する予定だ。

その日本製紙の北海道工場旭川事業所(北海道旭川市)では、道路の凍上抑制層(凍結により道路が隆起する現象を抑える仕組み)、路盤材、盛土・埋戻し等での使用目的で、バイオマスボイラーから排出される焼却灰をセメントで固めて再生骨材を製造してきた。

この再生骨材の持つ優れた透水性と耐久性に注目し実施されたのが「暗渠(あんきょ)疎水材」への使用の検討だ。北海道の泥炭地域など、水はけが悪い農地では、水はけを良くする目的で暗渠を設置している。暗渠排水管に向かう通水を確保するために積層されているのが疎水材で、木材チップやモミガラ、砕石・砂利などが用いられるのがふつうだ。

泥炭地などの暗渠の断面例。水はけを良くする目的で設置している。暗渠排水管に向かう通水を確保するために積層されているのが疎水材で、疎水材に使われる素材は透水性と耐久性が求められる(提供:日本製紙)

泥炭地などに敷設される暗渠の断面例。水はけを良くする目的で設置される。暗渠排水管に向かう通水を確保するために積層されているのが疎水材で、疎水材に使われる素材は透水性と耐久性が求められる(提供:日本製紙)

再生骨材の暗渠(あんきょ)疎水材としての適性調査は、上川総合振興局南部耕地出張所が主体となり、2012~2014年にわたって実施された。その結果、再生骨材は現行の木材チップと同等以上の排水能力を持つこと、排水の水質や作物収量等にも影響しないことが確認された。この調査結果を受けて、本年7月から暗渠疎水材として再生骨材の出荷が開始されている。

再生骨材を用いた暗渠排水工事の様子(提供:日本製紙)

再生骨材を用いた暗渠排水工事の様子(提供:日本製紙)

そして今年8月、北海道の農業農村整備事業推進と農業土木、事務及び技術の向上への貢献が認めた者に贈られる賞である「北海道農業土木協会賞奨励賞」が、第31回農業土木新技術検討報告会で発表されたこの「再生骨材(焼却灰固化体)の暗渠疎水材としての適性評価」に対して贈られた。受賞は、北海道上川総合振興局南部耕地出張所一般財団法人北海道農業近代化技術研究センター、そして日本製紙の共同受賞である。

 

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