【照井土地改良区】岩手県一関市「らせん水車」 低落差の農業用水路で発電

岩手県一関市の照井土地改良区が同市赤荻字荻野地内に整備してきた「荻野発電所」が完成し、このほど稼働した。最大落差1.9mと落差が小さい農業用水路を活用した取り組みで、最大13.5kW(常時8kW)の発電が可能だ。年間で一般家庭の23軒分の発電量を見込んでいる。

同発電所は照井堰幹線用水路の落差工を利用し、水車はドイツ製の開放型らせん水車を採用した。同社によると、らせん水車を導入した小水力発電は国内で3例目、東北では初となる。発電した電力は東北電力に売電する。同土地改良区は、再生可能エネルギーを活用することで地球温暖化防止の一助になり、将来的に売電収入を活用して組合員の賦課金の削減に取り組みたいとしている。

今回導入した開放型らせん水車は、用水路をせき止めて水をらせん水車に流入させ、その水の勢いで水車が回転して発電する仕組みだ。水車のサイズは直径1.7m、長さ6.2m。少ない落差で発電できるほか、大規模な導水路も必要なく設置も容易だ。また、プロペラ羽根の間隔が広く、ごみの付着が少ない。騒音も少ない。

同改良区工務課主任技師の遠藤圭二郎さんは、「2m以下の低落差で、10kW以上の最大効率の発電力を発揮できる画期的な水車。東北初のらせん水車でもあり、県内外からの見学も歓迎している」と話す。

同土改区は2010年、同市赤荻字雲南の農業用水路に、東北地域で最初の農業水利施設を利用した「照井発電所」(最大出力50kW、常時30kW)を開設した。最大落差6.88mの急流を利用した小水力発電は、採算性ある先進事例となった。同土改区で稼働している小水力発電は、2カ所目となる。同土改区管内には、落差の小さい用水路で、小水力発電の適地が多く、今後数カ所に設置する計画がある。

[画像:「荻野発電所」に設置されたらせん水車]

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