〚リポート〛【バイオマス発電事業化促進WG】バイオマス発電燃料の伐採と搬出 ~間伐材など未利用木材の集材方法改善への取組と課題~

市民キャビネット農都地域部会バイオマス発電事業化促進ワーキンググループは10月13日、「バイオマス発電燃料の伐採と搬出」に関する勉強会を都内で開催した。講師には、バイオマス事業を手掛ける山林所有者や施業者が迎えられ、現場が直面する課題を直に聞くことのできる貴重な機会となった。

神奈川県湯河原に約900haの山林を保有する、Bioフォレステーション代表取締役の近藤亮介氏は、将来を見据えた伐採のあり方について講演。未利用間伐材をバイオマス発電燃料として有効活用するためにも、主伐対象となる木材(A材)の利用用途・消費量を増やしていくことが重要であると力説した。

A材の搬出があるから未利用間伐材も併せて搬出されるのであり、A材の搬出がなければ間伐材は林地残材とならざるを得ない。現在、間伐材の搬出に補助金を出す自治体も多いが、A材の搬出がなければ事業としては成り立たない。固定価格買取制度(FIT)によりバイオマス発電燃料としての間伐材需要が高まっているが、林業経営の立場から見ると、現状では伐採・搬出の経費に見合うものではないという。

こうした状況を踏まえ、近藤氏は次のように提言する。

■バイオマス発電所に燃料が集まるために
①A材の需要を徹底的に増やす政策が不可欠→A材が出荷されないと、バイオマスは山から出てこない。
②林地残材を搬出する林業への助成→林地残材が減らない=バイオマス発電所に燃料が集まらない。
③パークや街路樹剪定枝の調達価格を引き上げる→現状、パーク24円、街路樹剪定枝17円。
■地域にマッチしたバイオマス発電所が建設されるために
①地域行政誘致型のバイオマス発電所はことごとく失敗しつつあるので、民間市場に任せる→しかるべき発電所が生き残る。
②固定価格買取制度において、熱利用を義務づける→8割の熱を捨てるのはバイオマスの無駄遣い。
③100kW未満の調達価格を引き上げる→小さくなるほど熱利用しやすくなる。
■持続可能なバイオマス社会を構築するために
①小規模な「皆伐・再造林」に造林助成する→補助金を頼りにした間伐だけでは、林業は持続しない。

なお、この日の参加者は関東近県より約70名。講師は他に、次の3氏が務めた。

須藤友明氏(東京製綱・綱索綱線事業部)、演題「架線集材向けロープの開発」
米谷栄二氏(蔵前バイオマスエネルギー技術サポートネットワーク副理事長)、演題「進化するKシステム」
松浦晃氏(つくば林業代表取締役)、演題「搬出間伐の最新事例と今後の見通し」

[画像・上:Bioフォレステーション代表取締役の近藤亮介氏による講演の様子]

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