〚リポート〛富士通総研・特別企画コンファレンス「水素社会は実現するのか―日本の挑戦とビジネス機会―」

富士通総研は10月5日、「水素社会は実現するのか―日本の挑戦とビジネス機会―」と題する特別企画コンファレンスを都内で開催した。水素の活用に関する議論が活発化する一方、技術やコスト、制度面での複雑な課題が山積する現状を踏まえ、欧州での状況や定量分析の手法、また行政・民間での実際の取り組みを紹介した。

まず、英インペリアルカレッジ教授のデビット・ハート氏は、欧州では各国の希望を前提に水素活用のための施策が推進される一方で、水素純度や車両コネクタ等の関連規格といった検討項目について情報共有が進められていると説明。中小企業による水素プロジェクトが多い欧州に比べ、日本で大企業主導である点が印象深いと指摘した。

続いて富士通総研経済研究所の濱崎博氏が、政策変数(CO2削減目標・エネルギー輸入依存度)とその他変数(燃料電池車の価格、水素ステーションの建設費用、水素供給網・連系線強化の有無)による、水素普及率のシミュレーションを紹介。最も水素の普及が期待できるシナリオにあっても、都道府県ごとに燃料電池、系統電力、コジェネレーションのどれを最適な電源とするかは大きく異なり、また「地産地消」と「全国流通」のいずれを想定するかでシナリオの結論も左右されるとした。

続いて岩谷産業が同社の水素製造拠点や水素ステーションの整備状況などを解説。トヨタ自動車はドイツ・ハンブルク市の風力発電と水素活用の実例を挙げ、持続可能な社会に最適なエコカーを購入可能な価格で提供する決意を表明した。行政側としては、福岡市が世界で初めてとなる下水由来の水素で燃料自動車を走らせる試み(2016年3月稼働予定)を紹介。水素エネルギーの地産地消モデルを示した。

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