〚リポート〛日独シンポジウム:地方創生のチャンスとしての温暖化対策 ~日本とドイツにおける再生可能エネルギー~

この10月、ドイツ大使館ドイツ日本研究所(DIJ:東京都千代田区)の主催で、ドイツの再生可能エネルギーへの取り組みを考えるシンポジウム「地方創生のチャンスとしての温暖化対策 ~日本とドイツにおける再生可能エネルギー~」が開催された。

紹介されたのは特に地方自治体レベルでの取り組みだ。ドイツでは2014年の段階で全電源に占める再エネの割合が26%を超えており、今後もその割合を増やしてゆく国としての方針を持つ。その流れの中で、自治体もそれぞれの特色に合った再エネ事業を展開している様子がうかがえた。

実際に事業に取り組んでいる首長も2名招かれた。今回はこのお二人に注目してみたい。

バイエルン州レッテンバッハ村 元村長 ウィルヘルム・フィシャー氏

バイエルン州レッテンバッハ村 元村長
ウィルヘルム・フィシャー氏

バイエルン州レッテンバッハ村 元村長
ウィルヘルム・フィシャー氏
レッテンバッハ村はドイツ東部のバイエルン州に属する。かつて近隣の自治体と合併したものの、フィシャー氏のもとで再独立を果たしたという歴史を持つ村だ。同氏の強力なリーダーシップが感じられる。
「太陽の村」のニックネームのとおり、レッテンバッハ村は太陽光発電に各種インセンティブを提供し促進している。バイオマス発電も盛んで、ガス化利用、コジェネによる電熱供給を行っている。加えて、村ではリソースの豊富な菜種油発電や薪の電熱利用も併せて行う。再エネは促進するが、「100%再エネ」にはこだわりすぎずに、「自分たちの近くでできる燃料」(フィシャー氏)を積極的に活用する。結果、地域内需要の約2倍のエネルギーを創出しているとのことだ。
村で発行されている地域通貨も、エネルギー生産から消費までの「地産地消率」を高めている要素だ。

バーデン・ヴェルテンベルク州ザンクト・ペーター村 村長 ルドルフ・シューラー氏

バーデン・ヴェルテンベルク州ザンクト・ペーター村 村長
ルドルフ・シューラー氏

バーデン・ヴェルテンベルク州ザンクト・ペーター村 村長
ルドルフ・シューラー氏
ドイツ南西部の、スイス、フランスの国境にほど近いサンクトペーター村。太陽光(電力供給量118万kWh)、太陽熱(熱供給量4万kWh)、水力(電力供給量40万kWh)、風力(電力供給量1,840万kWh)、そしてシュヴァルツヴァルト(「黒い森」)の村らしく木質バイオマス(年間熱供給量約1万MWh+電力)も含め、各エネルギー源をバランスよく運用し効率よく電熱を供給している。結果、村内年間需要の約3倍(2,100万kWh)の電力が村で生産されている。
村独自で地域に暖房網も整備した。導入当初は80世帯ほどだったが、今は220世帯がこの暖房網に接続されている。「エネルギーを地産地消すれば地域ならではの価値を創造できます」と、シューラー氏は強調する。

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