ガスと電気を併用し、効率的に運転する業務用空調システムとその制御サービスが2016年4月販売開始へ【東京ガス】

[画像・上:制御サービス「エネシンフォ」の概念図。EHP(電気)-GHP(ガス)のヒートポンプの同一冷媒系統空調システム「スマートマルチ」を、電気・ガス料金や気温等演算・予測しつつ協調制御する(提供:東京ガス)]

ガスと空気を並行運用し、エネルギー効率を高める利活用の技術が空調の分野で推進されている。東京ガス大阪ガス東邦ガスパナソニックの4社によって開発されている業務用空調システム「スマートマルチ」がそれだ。

スマートマルチは、圧縮機の駆動源にガスを使用したガスエンジン駆動式のエアコンであるガスヒートポンプ(GHP:Gas Heat Pump)と、圧縮機の駆動源に電気を使用した電動機駆動式のエアコンである電気モータヒートポンプ(EHP:Electric Heat Pump)とを、1つの冷媒配管に接続して同一冷媒系統に組み合わせ、室外機に遠隔通信機能を有する遠隔アダプタ(コントローラ)を接続した空調システム。GHPとEHPを同一冷媒系統に組み合わせた空調システムの開発は日本で初とのことだ。

その特長は、GHPとEHPの運転状況やエネルギー需給バランス、変動するエネルギー価格等を勘案し、遠隔制御によりGHPとEHPを使い分けることでエネルギーコストの削減を図ることのできる点にある。電力が来年4月に、ガスが2017年4月に、それぞれ小売全面自由化を控えており、それに伴い多くの料金メニューが出現することが予想される。様々な料金体系から最もふさわしいものを選択し、遠隔制御によりサーバ側からGHPとEHPを最適な比率で制御。これにより、コスト面で最も安価になる運転だけではなくCO2排出が最小になるような運転等、ユーザー毎に最適な運転を実現することが可能になる。スマートマルチの販売開始は2016年4月が予定されている。

一日の時系列における「エネシンフォ」運転イメージ。これは夏季における例で、一年でも最も電気料金の高い日中はEHPの運転率をゼロにしてGHP単独で空調を運転する(提供:東京ガス)

一日の時系列における「エネシンフォ」運転イメージ。これは夏季における例で、一年でも最も電気料金の高い日中はEHPの運転率をゼロにしてGHP単独で空調を運転する(提供:東京ガス)

この運転を行う制御サービスが、東京ガスが開発した「エネシンフォ」だ。電力・ガス料金メニュー、GHPとEHPの機器効率、外気温度等を考慮した最適運転のための制御ロジックや、スマートマルチから得られたデータをもとに翌日の電力需要を予測する電力予測手法を開発。遠隔監視センターで翌日の時刻別に最適な運転比率を緻密に演算することが可能になった。

比率①比率②比率③

GHPとEHPとの運転比率は諸状況により変動させる。電気料金が安い夜間などはEHPのみ、その逆の電力需要ピーク時にはGHPのみ、比較的負荷が高くてもデマンドに余裕のある早朝などにはGHP/EHP等分負荷、デマンド上昇中ではEHPをセーブしつつGHP/EHP併用、など使い分ける(提供:東京ガス)

GHPとEHPとの運転比率は諸状況により変動させる。電気料金が安い夜間などはEHPのみ(図・一番上)、その逆の電力需要ピーク時にはGHPのみ(図・一番下)、比較的負荷が高くてもデマンドに余裕のある早朝などにはGHP/EHP等分負荷(図・上から2番目)、デマンド上昇中ではEHPをセーブしつつGHP/EHP併用(図・上から3番目)、など使い分ける(提供:東京ガス)

当日は予め指示された運転比率でスマートマルチを制御しつつ、電力需要の監視も行う。従来だと直近30分毎電力需要量の推移を推定し、その都度制御を行うのが一般的だが、このデマンド制御と比べ精度の高い安定した制御を実現する。エネルギー効率はさらに向上し、スマートマルチ上で使用することで同規模のEHPと比較してランニングコストを約20%低減すると東京ガスでは試算している。このエネシンフォの発売は、スマートマルチと同じく2016年4月が予定されている。

見える化サービス②_02

一日毎の「スマートマルチ」の運転状況、電力・ガスの消費量、本サービス利用による削減効果などを、専用のインターネットホームページで確認可能。時刻別運転状況の他、日別運転状況なども「見える化」される(提供:東京ガス)

一日毎の「スマートマルチ」の運転状況、電力・ガスの消費量、本サービス利用による削減効果などを、専用のインターネットホームページで確認可能。時刻別運転状況の他、日別運転状況なども「見える化」される(提供:東京ガス)

 

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