実験住宅でエネシステム運用。【大阪ガス】「NEXT21」第4フェーズ居住実験中間結果発表

大阪ガスが集合住宅「NEXT21」で実施している長期居住実験。1994年の開始以降、延べ4期21年間にわたって行われており、現在も継続中だ。このたび、2013年6月からの第4期(第4フェーズ)前半部分、約2年間の結果がまとめられ発表された。

多岐にわたる技術要素とマネジメントの「実際のところ」を知ることのできる報告であり、エネルギーの今後を我々の生活目線で考えるにあたり示唆に富む指摘で溢れている。

[画像・上:大阪市天王寺区に建つ、実験集合住宅「NEXT21」外観。延床面積4,577㎡・18戸の世帯が実際に居住している(提供:大阪ガス)]

同事業は、近未来の都市型集合住宅のあり方を提案することを目的として、大阪ガスの社員とその家族18住戸が集合住宅「NEXT21」に年単位で長期間居住して進められている、たいへんユニークな実験だ。

現在実施中の実験は第4フェーズに突入。今フェーズは、2020年頃を想定した「環境にやさしい心豊かな暮らし」をテーマに実施されている。

NEXT21では、固体酸化物形燃料電池(SOFC)やガスエンジン・コージェネレーションシステム(CGS)を高効率に活用している。(以下A~Eの順番は大阪ガス資料のママ:下図参照)

NEXT21のエネルギーシステム概念図と、その実験課題(提供:大阪ガス)

NEXT21のエネルギーシステム概念図と、その実験課題(提供:大阪ガス)

〔A〕SOFC住戸分散設置とエネルギー融通
本実証の「エネルギーシステム」分野で大きな柱となっている技術がSOFCだ。

SOFCは連続運転で強みを出せる。今回はコンパクトな次世代型を試験運転。これを定格運転(700W)で連続運転し、結果50%を超える高い効率で発電を続けることができた。

発電で発生した余剰電力は住戸間で融通、あるいは蓄電池(蓄電容量5.5kWh)に充電して有効活用する。その結果、発電量で約59%増加、購入電力で約91%削減を達成。系統電力の負荷軽減に貢献した。

本実験では建物内の熱利用も行われている。5階各住戸では太陽熱パネルの温水と組み合わせ、SOFCの余剰排熱がある場合は住戸間での融通利用も行う。結果、バックアップ給湯器の使用量を軽減し、一次エネルギー消費量は従来比20%削減、融通がない場合との比較で約4ポイント向上した。

〔B〕デマンドレスポンス(DR)対応と逆潮運転
ピークシフトのためのDRとして、居住者への節電要請に加え、SOFCの自動制御で発電量を増加させる自動DRも行う。その系統電力負荷低減効果は、節電だけの場合と比べ夏期で1.1倍~1.5倍、冬期で2~3倍に増加した。

またSOFC発電の余剰電力をネットワークに逆潮流し各住戸で融通し合った結果、より無駄なくエネルギーを消費できるようになり31%の省エネ・51%の省CO2を達成した。

NEXT21には再エネも導入されている(提供:大阪ガス)

〔E〕再エネとの組み合わせ
住棟セントラル空調システムに太陽熱(24㎡~30㎡)と共用部CGS排熱を活用し、暖房時8%、冷房時10%の一次エネルギー削減効果を確認。また、台所生ごみ由来のバイオガスを都市ガスに混合し、CGSの燃料に利用。エネルギー「地産地消」の割合向上に貢献している。

その他、住戸あたり最大500WのCGS発電にSOFCの電力も加えられる〔C〕停電時自立システムの構築や、HEMSデータ活用の効果を測定した〔D〕HEMSの導入も報告された。

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