木質バイオマスの健全な利活用に向けて ~日本木質バイオマスエネルギー協会に期待高まる

一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会(会長・熊崎実筑波大学名誉教授)の活動が注目を集めている。同協会は今年6月1日、前身である木質バイオマスエネルギー利用推進協議会の組織改編により誕生したものだ。昨今の木質バイオマスに対する期待の高まりを受け、「林業・林産業の健全な発展に資する、バランスの取れた、木質バイオマスエネルギーの原料調達および利用を総合的・戦略的に推進」するために設立された。事業者だけでなく多くの自治体が参加していることも特長であり、現在88団体・44個人・124自治体が会員となっている。

小規模施設に追い風
同協会の川越裕之専門調査員(事務局総括)に、木質バイオマスのエネルギー利用に対する期待が高まってきた背景を聞いた。
「固定価格買取制度(FIT)の影響が大きい。特に本年度から、小規模木質バイオマス発電に高い買取価格が設定されましたから、これまで以上に大きな関心が集まっています」
昨年度までのFITでは、未利用木材によるバイオマス発電は、規模に関わらず32円/kWhという買取価格だった。この買取価格は5000kW規模のバイオマス発電所をモデルに算出されており、小規模施設では採算がとれなかった。しかし本年度、2000kW未満というカテゴリーが新設され、40円/kWhという買取価格が設定されたことにより、事業参入の可能性は大きく拡がった。

調査研究・補助事業
本年度の事業活動には、「調査研究事業」や「補助事業」などがラインナップされている。
調査研究事業では、会員や学識経験者ら専門家による調査検討委員会を設け、海外事例や、供給方法についてなど多様なテーマを研究する。その結果については、調達価格等算定委員会への提言や、国の関係機関への要望等に活かしていく。
勉強会も年4回予定されており、8月18日に都内で開かれた「第1回勉強会」には会員約100名が参加した。この日のテーマは「小規模木質バイオマス発電の可能性」。北海道の事業者や四国の自治体などからも参加者があり、同テーマへの関心の高さが伺えた。

地産地消をサポート
木質バイオマスの利活用の課題は、素材生産業(林業、製材業)や木質バイオマス燃料利用者、プラントメーカーなど立場によって異なる。また、木質バイオマスの利活用には、発電のみならず、熱利用や燃料化もあり、どのような事業に利活用するかによっても必要な情報は違ってくる。
同協会では、木質バイオマスの利活用を考えている事業者や自治体の疑問に答えるため、「相談窓口(※)」を設置している。相談には発電、熱利用、燃料化、それぞれのスペシャリストが対応する。状況によっては、現地で直接アドバイスを受けることも可能だ。
「木質バイオマス利活用の基本は地産地消。問題は、未利用の材をどこまで使えるかということ。FITができて発電のみに注目が集まりがちですが、木質バイオマスの可能性はもっと幅広いものです。どんな利活用の仕方が真にその地域に役だつのか、私たちは地域の方々の立場にたって、支援していきたいと考えています」(川越専門調査員)

※相談窓口▼電話03-6435-8781

 

[画像:前身である「木質バイオマスエネルギー利用推進協議会」総会の様子]

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