独電力大手RWE、再エネ水素の製造・貯蔵輸送技術Power-to-Gasの大型実証開始

ドイツの大手電力会社RWE(エル・ヴェー・エー:本社エッセン)は、北西部に位置するノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州イッベンビューレンでPower-to-Gas(パワー・トゥー・ガス)の大規模実証を開始した。

[画像・上:ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州イッベンビューレンで行われた、Power-to-Gas実証施設開所式の様子。左から、NRW州立気象維持研究所(KlimaExpo)CEOハインリッヒ・ドルンブッシュ氏、NRW州財務長官ギャレルト・ドゥイン氏、RWEドイチェランドCEOアーント・ニューハス氏、イッベンビューレン首長ハインツ・スタイングレヴァー氏、RWEドイチェランドCTOヨアキム・シュナイダー氏(提供:RWE)]

Power-to-Gasは、余剰の再エネを水素に変換し貯蔵・輸送するエネルギー有効活用のための方法。元は、ドイツ北部の風力発電での電力を南部の需要家たちに送電する方法として、容量の低い中部の送電網を回避するために考え出された。今回の実証プラントでは、地域にある風力や太陽光の再エネで150kWの発電を行う。その余剰電力によって水を電気分解する。電解装置は英国ITM製。

一方発生した水素はLNGパイプラインに送られる。ヨーロッパではパイプラインが整備されており、特にドイツでは全土を網の目状に網羅している。総距離も相対的に長く、パイプラインを通しての水素「輸送」がそのまま「貯蔵」も意味することになる。

また、水素の製造量とLNG利用システムを連動。水素製造量の少ない時=再エネ発電の稼働率が悪い時には、LNG燃料のコジェネ発電を焚き増しして不足電力を補うことも可能にしている。電解の際に発生する熱も有効利用され、エネルギー効率を上げる。電力、LNG、熱が共に地域に供給されるPower-to-Gas施設は、同社によると「史上初」とのことだ。

ドイツでは2030年に国内全電源中の再生可能エネルギーの割合を50%にすることが目標となっている。それだけに再エネの導入と共に、余剰電力対策も喫緊の課題だ。Power-to-Gasは大規模・長時間のエネルギー貯蔵・輸送を可能にする技術として注目が集まっている。

 

RWEでは水素製造の先の利用技術も研究中。水素をメタネーションしLNGやSNG(代替天然ガス)と共に火力発電で使用することもPower-to-Gasの開発プランのひとつだ(提供:RWE)

RWEでは水素製造の先の利用技術も研究中。水素をメタネーションしLNGやSNG(代替天然ガス)と共に火力発電で使用することもPower-to-Gasの開発プランのひとつだ(提供:RWE)

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