積水化学が小水力発電用曲管発売 屈曲部を無くしてエネ損失小さく

積水化学工業環境・ライフラインカンパニーは、小水力発電施設用の新たな管路曲管「FTR-3D」をこの10月から発売する。

[画像・上:小水力発電曲管「FTR-3D」(提供:積水化学工業)]

積水化学は農業や上下水道などに用いる管路材「エスロンRCP」シリーズのラインナップを持つ。FRP(繊維強化プラスチック)がベースの複合材(FRPM)で、軽量・高強度・耐腐食性などに優れた性能を示す。1974年の製造開始以来長い販売・導入実績を誇る。

エスロンRCPに限らず曲がる部分の産業用管材は、同じ材料でできたリング状の具材を継ぎ足して作る「同質曲管」であることが多い。

管路材で一般的な同質曲管。中心に屈曲部があり、損失水頭が高めになる(提供:積水化学工業)

継ぎ足しがあるということは、同質曲管には直菅と直菅に挟まれた屈曲部が存在することになる。これによって曲率半径が小さくなる、つまり屈曲部で水の流れが急カーブするような流線になる。すると流体に生じる流路との圧力損失である損失水頭が高くなってしまう。

一方FTR-3Dの設計には積水化学が独自のコンセプトと技術を注入。内部に屈曲部がない形状とした。FTR-3Dの「3D」とは曲率半径が菅内径(D)の3倍以上であることを意味し、曲線がより緩やかであることを表している。水門鉄菅技術基準もクリアしている。なおかつどの角度設定でも曲率半径は菅内径の3倍以上を維持する。

これによって曲率がより小さくなり損失水頭が小さくなることで、小水力発電におけるエネルギー効率への影響も同質曲管を使用する場合より小さくすることができる。

FTR-3Dの内部。大きく緩やかな曲がりかたであることが分かる(提供:積水化学工業)

一体形成としたことで、発電施設の施工時のメリットも存在する。同質曲管を用いる場合、曲げ=継ぎ足しのある部分の外圧扁平による破損を防ぐために、配管部分にコンクリート防護を施す場合が多い。継ぎ足しのないFTR-3Dはこれが要らなくなる。

上市にあたって、新たな専用製造工程も設けたというFTR-3D。積水化学工業 環境・ライフラインカンパニーはFTR-3D含めたエスロンRCP全体の売上げ高目標を今年度50億円に設定している。

今回発売されるのはまず呼び径500mmで、今後順次600~1,500mmに拡大してゆく。内圧設定は5種(0.25MPa)・4種(0.5MPa)・3種(0.7MPa)で、内圧2種(1・05MPa)も今後設定予定。曲管の角度指定範囲は0度から49度だ。

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