隠岐諸島で6,200kW大規模蓄電池システム実証開始【中国電力】再エネの出力変動対策、諸島内には再エネ1万kW超導入計画も

[画像・上:合計6,200kWの蓄電システムが設置された、西ノ島変電所(提供:中国電力)]

中国電力の、隠岐諸島(島根県)における大規模蓄電池システム、西ノ島変電所が完成した。10月20日に竣工式が挙行され、実証試験も開始されている。「実証」期間は2018年9月までの予定だが、系統連系されており、既に営業運転は始まっている。

本実証事業の概要。蓄電池合計6,200kW構築に加え今後再エネが合計約8,000kW導入される見込み(提供:中国電力)

本実証事業の概要。蓄電池合計6,200kW構築に加え今後再エネが合計約8,000kW導入される見込み(提供:中国電力)

島内のPRホールでは担当者による説明も受けることができる(要予約) 提供:中国電力

島内のPRホールでは担当者による説明も受けることができる(要予約) 提供:中国電力

環境省「平成26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業」の補助を受けるこの事業の特徴は、合計6,200kWという蓄電出力もさることながら、NAS電池(日本ガイシ製)とリチウムイオン電池(GSユアサ製)との「ハイブリッド型」蓄電で再エネの出力変動対策にあたる点にある。

日本ガイシ製のNAS電池(提供:中国電力)

日本ガイシ製のNAS電池(提供:中国電力)

GSユアサ製のリチウムイオン蓄電池。なお中国電力からの直接の受注は、両蓄電池、蓄電制御システムとも三菱電機が担っている(提供:中国電力)

GSユアサ製のリチウムイオン蓄電池。なお中国電力からの直接の受注は、両蓄電池、蓄電制御システムとも三菱電機が担っている(提供:中国電力)

NAS電池は理論エネルギー密度が体積・重量ともに大きく、大容量の蓄電システム構築に向く。西ノ島変電所には出力4,200kW導入され、容量は2万5,200kWhにもなる。NAS電池はこの特徴を活かし、余剰電力シフトなどの長周期変動対策を担う。
一方リチウムイオン電池はセルあたりの開路電圧が3.6~3.8Vと高く、効率的な充放電が可能だ。2,000kWが導入され、短時間での出力変動抑制などの短周期変動対策を担う。

ハイブリッド蓄電池システムでの、リチウム電池(上)とNAS電池(下)との「役割分担」(提供:中国電力)

ハイブリッド蓄電池システムでの、リチウム電池(上)とNAS電池(下)との「役割分担」(提供:中国電力)

このハイブリッド蓄電池システムの「頭脳」を三菱電機のEMSが司る。諸島内の電気の使用量と再エネの発電量を予測した上で、蓄電池による充電・放電とディーゼル発電機のある西郷発電所および黒木発電所の発電量をトータルに制御する。

さらに注目するべき点がある。このハイブリッド蓄電池システム設置を契機に、諸島全体で新たに合計約8,000kWの再エネ発電事業計画が持ち上がっているのだ。完成すると、既存分を合わせた諸島内の再エネ設備容量の総計は1万1,000kWとなる見込み。これは諸島内の最小需要約1万kWを上回っている。

独立系統で規模が小さい島嶼では、ただでさえ発電出力の変動による影響を強く受ける。ここでの系統安定化は、技術的・運用的に大きな挑戦になる。だからこそハイブリッド蓄電池システムの調整能力にかかる期待は大きい。地球規模での再エネ大量導入を控えた今、その先進的な例として本実証の今後の推移に注目したい。

 

《外部リンク》

中国電力特設ページ「隠岐ハイブリッドプロジェクト」

環境省「平成26年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の再生可能エネルギー導入のための蓄電池実証事業)の採択案件について」

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