自然資本へのリターン率90%へ、積水化学の新たな環境中期計画

積水化学工業は7月3日、都内で記者説明会を開き、2017年~2019年を対象とする新たな環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」を発表した。

[画像・上:新たな環境中期計画について発表する積水化学工業の平居義幸取締役常務執行役員経営戦略部長]

同社は、環境長期ビジョンとして「SEKISUI環境サステナブルビジョン2030」を策定し、「地球から授かったもの以上に地球に返していく」ために「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」の3つの活動による貢献を軸に、環境経営を推進するとしている。2014年から2016年までは、環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランTake-Off」に沿って施策を実施してきた。

今回は2017年から2019年の3年間を対象とした新たな環境中期計画を策定し、発表を行ったもの。去る4月に同社が発表した新中期経営計画「SHIFT 2019 –Fusion–」の中でも、SHIFTの「S」にあたる「Sustainable」すなわち、持続可能であることがキーワードの一つとなっている。新環境中期計画は、前環境中期計画であるTake-Offを振り返っての課題、長期ビジョンに掲げた2030年の目標からのバックキャスト、さらには社会背景及び社会からの要請の3点を背景に策定した。実効性向上の施策推進を睨んで、環境貢献製品の枠組み進化や温室効果ガスの意欲的な削減を掲げている。

環境貢献製品は、2030年において全ての製品が自然資本へのリターンに貢献し、変換率の高い製品が事業の中核になることをゴールとして設定しているもので、これまでは自然環境への貢献が狙いだったが、今回、健康寿命延長など「健康と福祉の促進」及び「強靭なインフラ構築」という、社会環境への配慮も併せて取り組むこととした。

一方、成長を志向する企業経営であるがゆえに、企業活動に伴う温室効果ガス排出量は、通常であれば増加する仕組み。これを、従来プライオリティが低かった古い機械の更新などへの環境貢献投資を促進することで、戦略的にCO2排出削減を狙う。このための投資額は売上高比率で0.3%超の120億円を見込んでいる。また、タイのナコンシタマラで、年あたり40ha(10万本)の植林を開始する。マングローブのような沿岸に生息する植物は、固体の寿命終了後にも、海底に炭素を固定するとされる。2013年比で、2019年には6%減、2030年では26%減を目標としているとのこと。さらに、2050年に向けた構想を今中期計画から検討開始する。SBT(Science Based Targets)や、RE100、カーボンクレジットなどが検討対象となるという。

同社の評価によれば、2016年時点で自然資本へのリターン率は77%。2030年100%をゴールとして、今回の中期計画が終了する2019年には90%達成が狙いだ。より挑戦的な目標に向けての新環境中期計画がスタートする。

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