【イベントレポート】PVJapan2017/第12回再生可能エネルギー世界展示会③ WWB/FREA/パナソニック/ジンコソーラー

より続く】

 

WWB

革新的なモジュール内MPPT搭載やソーラーシェアリング向け製品を展示したWWBのブース

ソーラーシェアリング向けのシステムパッケージ提供で有名になってきたWWBだが、今回の展示では、一基で500Wという太陽光発電モジュールが目を引いた。

損失を減らせるメリットなどから、MPPTをPCSから切り離し、太陽電池側に近いところへ分散配置するコンセプトが広がりつつある。この点、Maxar smartと名付けられたこの大型モジュールは、モジュール内に、MPPT回路を内蔵した「スマートコントローラ」を搭載している点で、究極と言える。

さらに、従来モジュールを直列に接続して構成するストリングも並列接続とし、専用のマイクロインバータを介して、交流集電箱に接続する。モジュール内にMPPTがあるがゆえに可能な事と言えるが、これにより、DC配線の電圧が60V以下となり、感電のリスクも低下する。

また、マイクロインバータはPLC経由で通信対応しており、1台ごとの遠隔監視が可能。いろいろな意味で、現在の結晶シリコン系太陽電池の使い方とは一線を画す製品といえる。

 

産業技術総合研究所(産総研)・福島再生可能エネルギー研究所(FREA)

産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所(FREA)による様々な技術開発、支援事業が紹介されていた同ブース。被災地企業のシーズ支援プログラムの展示品に、円筒形の不思議な物体が。

中は細いポリエチレン管が渦巻状に組み上げられている。これはジオシステム(東京都練馬区)の地中熱交換機「G-カーペット」。直径6mmのポリエチレン管117本と2本のヘッダで構成され、広げれば0.9m×5.6mのシート状。

従来の熱交換器に比べ熱交換面積が大きいのが特長で、地中浅部で使用することができ、掘削工事などの初期費用を抑えられる。また、池や河川、地下水などを熱源として利用する場合にも適しているという。

福島県および郡山市のコーナーでユニークだったのは山王(福島県郡山市)。機能性めっきを得意とする同社は、めっき加工技術を応用した水素透過膜を提案している。

水素透過膜はパラジウム合金と多孔質ニッケルによるもので、原料ガスから水素のみを取り出せる。水素透過膜を使用することで、一般的な水素製造装置と比べ、簡易な設備で水素の分離が可能になるという。同社は、今後も試験を重ね、将来的にはバイオマスによるメタン発酵ガスや下水道処理の消化ガスなどからも、高純度水素を製造できるようにするとのこと。

ブースでは、11月にビッグパレットふくしま(郡山市)で開催される「REIFふくしま2017(第6回ふくしま再生可能エネルギー産業フェア2017)」の紹介も。この機会に、同フェアにも足を運んでみてはいかがだろうか。

 

パナソニック

ブランドとしても消費者に身近なパナソニック。B2B2C的な華やかな展示が目立った

住宅向け太陽光発電システムの自家消費に関連した多くの製品を紹介したパナソニック・エコソリューションズ社のブース。従来の3分の1のサイズを実現した「創蓄連携システム」はその中核となる商品だ。

さらに今回は、参考出品として、「レディタイプ」も展示。まずは蓄電池を設置せずに太陽光発電を導入し、後々蓄電池を追加するという対応が可能。蓄電池対応のためにPCSを交換するという無駄が発生しないのはありがたい。

もちろんエネルギーの源は太陽電池。同社のHIT太陽電池は、ヘテロ接合により、高効率だけでなく、温度が上昇しても効率低下が緩やかというメリットがある。屋根置きという条件の厳しさを反映して、バスバーで反射する太陽光もセルで受け止めるための仕組みなど、細かい配慮が詰まっているのも特長。

加えて同社が目指すのは施工の簡略化。速結端子の採用などもその一つ。人材不足の中、コスト低減と施工品質向上が図られる。こうした展示会では表に出ないが、重要なテーマの一つだ。

 

ジンコソーラー

高出力をアピールするハーフカットセル単結晶モジュールなどを展示するジンコソーラーブース

一国の市場としては規模が大きめとはいえ、ここにきて出荷量は落ち込んできている日本市場。市場開拓に向け、太陽光発電の「使い方」を提案するようなブースが大半を占める中、対照的に、新型モジュールの性能アピールを前面に打ち出していたのが中国の大手モジュールメーカー。その代表が、世界第一位のモジュールメーカーであるジンコソーラーと言える。全世界を市場とし、快進撃を続ける同社にとって、日本市場はどう見えているのか、気になるところ。ブースで話を聞いた。

ジンコソーラーは日本企業との「協業」を進める

国内でも、大型の産業用案件での採用がしばしばニュースとなる同社だが、やはり日本市場では産業用の需要は下がっているという。一方、住宅用は順調に伸びているとのことだ。

住宅用となれば、自家消費向けということで、蓄電池関連設備との組み合わせが目につく。しかし、ジンコソーラーはあくまでもパネル事業に特化したビジネスを続けるとのこと。

日本市場では、代理店やEPC事業者が、様々なソリューションを顧客に提案している。開発やモジュール以外の資機材も含めて、自前で日本市場にアプローチしている海外企業も多い。その場合、多くの日本企業と競合し、その競争に勝っての参入となる。ジンコソーラーはこうした参入の仕方を取らない。これら企業にモジュールを提供するのが同社のビジネスモデルとのことだ。

日本企業のライバルではなく、協業の相手として、製品、すなわち同社の太陽光発電モジュールを選択してもらうというのだ。ヤマダ電機との提携も話題となったが、この場合も、モジュールをヤマダ電機に供給するだけにとどめているとのことだ。

モジュール専業メーカーとしてのブランド確立へ

モジュール供給に特化するとなれば、商品力がポイント。このところ、多結晶に注力すると同時に、単結晶モジュールにも取り組んでいる同社。ブースでは、ハーフカットセルを用いた高出力モデルを前面に展示。さらに、今後の展開として、12バスバーのモデルなども控えている。

併せて信頼性、耐久性の面でも、EPC事業者などから高評価を得ている。このところジンコソーラージャパンでは、技術サポート人員を中心に組織体制拡充を続けているが、こうした対応も奏功してのことだろう。日本市場参入は後発だった同社だが、今後も快進撃が続きそうだ。

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