【第一東京弁護士会】洋上風力発電における法的課題から「再エネと法曹界」の関係を再考する

第一東京弁護士会環境保全対策委員会は9月、弁護士会館(東京都千代田区)において、環境・エネルギー法フォーラム「洋上風力発電の法的課題の克服に向けて」を開催した。日本風力発電協会協力のもと、風力発電関連事業者やコンサル、金融機関など幅広い業種から約120名が参加した。

FIT以降、太陽光を中心に再生可能エネルギーは急速に普及してきたが、海洋大国日本において、洋上風力発電の潜在的ポテンシャルは抜きん出ている。しかし同委員会によると、「洋上風力発電には、対応する法制度が十分に整備されていない点や、漁業者・地域住民などステークホルダーとの合意形成を十分に図る必要がある点など、様々な法的課題が存在している」という。

これまで同委員会は、日本風力発電協会との協議や関係者からの聞き取り調査などを元に、これら法的課題の分析を行ってきた。フォーラムでは、その成果が報告されるとともに、再エネの課題克服に向けて、弁護士の存在意義が改めて示される格好となった。

初めに研究成果報告を行った渡辺典和弁護士は、「洋上風力発電事業における海域占用に関する課題」を分析。指定区域以外の一般海域には、海域利用調整のルールが存在せず、管理権者も不明確であり、「法の空白域」が生じているなどの問題を取り上げた。

次に登壇した鎌田智弁護士は、「洋上風力発電に関する合意形成における課題」を整理した。洋上風力発電においては、漁業関係者との合意形成が不可欠であることは言うまでもないが、漁業関係者といっても一枚岩ではないことに留意する必要があるという。漁業協同組合と組合員の立場の違いも一般に考えられているより大きく、漁業補償をめぐる漁協内部の紛争も多い。鎌田氏は、合意形成にあたっては「機能的で信頼性のあるルール作り」が重要であるとし、協議会を開く際の手順など具体的ポイントを解き明かした。

このほか、森田多恵子弁護士が「洋上作業に対する規制に関する課題」、古川絵里弁護士が「洋上風力発電プロジェクト終了時の施設撤去における課題」、中山和人弁護士が「洋上風力発電事業に対するプロジェクトファイナンスにおける課題」を報告した。
[画像・上:鎌田智弁護士による研究成果報告の様子]

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