《リポート》山梨県、「小水力発電フェア」開催。エネルギー地産地消を考える

12月4日、「小水力発電フェア」が山梨県甲府市で開催された。山梨県は、2050年ごろまでに県内の電力需要のすべてを県内で発電した電力で賄うことを目指し、2013年から10年間で10カ所程度の小水力発電所の開発を目指す「やまなし小水力ファスト10」を推進している。小水力発電フェアは、県内の小水力導入を推進するための情報発信を目的に開催されており、今年で第3回目を数える。

[画像・上:資源エネルギー庁の大坪祐紀氏による基調講演]

基調講演では、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課の大坪祐紀氏が、中小水力発電の現状と課題について話をした。

この中で、大坪氏は、固定価格買取制度の見直しについても触れ、「太陽光発電とは違い設備の稼働まで3~5年と時間のかかる水力・風力・地熱などの発電事業は、将来適用される買取価格が未決定のままに事業を推進せざるを得ない現状をふまえ、①数年先の認定案件の買取価格をあらかじめ決定、②環境アセスメントを迅速化し、③接続申し込みのルールを改めるなど、リスクを低減する措置を検討する必要がある」とし、補助金や各種公的サポートの活用を訴えた。

「やまなし小水力ファスト10」による取組みの一例(朝穂堰浅尾発電所)

「やまなし小水力ファスト10」による取組みの一例(朝穂堰浅尾発電所)

続いて行われたパネルディスカッションでは、「小水力発電の現状と今後の展望について」と題し、会場からの質問に回答する形で現場の声を伝えた。小水力事業のリスク評価と対策に関する質問では、設備設計と運営保守の各フェーズにおけるリスク管理に触れつつ、「なによりも重要なのは発電事業者が当事者意識をもって長期的に取り組みを継続することである」との考えが示された(東京発電・富澤晃氏)。また、山梨県企業局 電気課の坂本正樹氏は、事業者間での失敗事例の情報共有が必要であると指摘した。

低落差サイトにおける事業開発に関する質問では、同じく平地の多い北欧のメーカによる「らせん水車」が適しているとしつつも、高低落差を利用するケースの多い日本では導入事例が少なく、新しいタイプの製品を活用するということ自体が新たなリスクとなり得るとの説明もあった。

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