【NEDO/清水建設ほか】米ニューヨークでZEB実証開始。消費電力半減を目指す

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)清水建設ほかは3月22日、ニューヨーク州立工科大学(SUNY Poly)が2015年に建設したZEN (Zero Energy Nanotechnology)にてZEB実現に向けた実証試験を開始した。

[画像・上:実証運転を開始したSUNY PolyのZENビル。3月22日(現地時間)に挙行された運転開始式には、NEDOの土屋宗彦理事、清水建設の中元和雄常務執行役員、Shimizu North America LLCの吉儀猛雄社長、ニューヨーク州エネルギー研究・開発局のデビッド・マーガリットCOO、在ニューヨーク日本国総領事館の阿部康次首席領事、SUNY Polyアントレプレナーシップ・イノベーションとクリーン・エネルギー・プログラム担当副理事長のハルダー教授らが出席(提供:清水建設)]

ZENに導入されたのは、RFID(Rapid Frequency identifier)を用いた位置情報システム(施設内における人の位置情報取得・応用システムでゾーン毎の在室者・人数をリアルタイムに検出し、照明の点滅制御を行う)、グラデーションブラインド(清水建設と立川ブラインド工業トーソーが共同で開発。自然光を屋内に採り入れ照明負荷を下げる、そして熱流入を低減し空調負荷を下げることで省エネを図る)、燃料電池システム、太陽光発電システムなど。これら設備を監視・総括制御するのが、清水建設が開発した「シミズ・スマートBEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)」。空調や照明などの負荷設備と太陽光発電やコジェネなどの創エネ設備を、機器特性や状況に応じて制御することで省エネやピークカットを実現する。

ZENビルに導入した機器類。全体を統括するのが「シミズ・スマートBEMS」だ(提供:清水建設)

ZENビルに導入した機器類。全体を統括するのが「シミズ・スマートBEMS」だ(提供:清水建設)

ZENに導入された省エネのためのコア技術は、全てが日本製だ。自然と人間の行動に合わせた照明・温度制御など、独自のきめ細やかな制御技術により、最終的には標準的なビルの理論上の消費電力に対し約54%に相当する省エネ・創エネ効果を目指す。

日本では、エネルギー基本計画(2014年4月閣議決定)において「建築物については、2020 年までに新築公共建築物等で、2030 年までに新築建築物の平均で ZEB を実現することを目指す」とする政策目標が設定された。同じように米国でもエネルギー省(DOE:United States Department of Energy)が、2030年までに全ての新築業務ビル、2050年までに全ての業務ビルの正味エネルギー使用量をゼロにする「Net-Zero Energy Commercial Building Initiative」を発表している。省エネの分野が今後大きな市場になるとの見通しでは日米政府が一致している。

2009年11月には日米間で日米クリーンエネルギー行動計画が合意され、省エネルギービル分野における日米共同の実証事業について検討を進めることが掲げられた。このような背景もあり、2013年9月16日、NEDOとニューヨーク州立工科大学(SUNY Poly)は省エネルギービルの共同実証事業を推進する基本協定書(MOA)を締結し、ZENビルに対して、ZEB実現に向けた技術や機器、システム構築の検討を進めていた。今後この事業を通じて米国における日本の省エネ・創エネ技術の普及を図るとともに、欧州やアジアなどへの世界展開促進が目指されることになる。

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