リポート 「日本の地熱開発事業の現状  そしてこれからに向けて」 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 JOGMEC 地熱部ワークショップ

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)地熱部は、6月2日・3日の2日にわたり、ニュージーランド政府系機関GNS Science International Limited(GNS)とのワークショップ並びに、平成27年度の事業成果や関連する地熱技術動向についての報告会を都内で開催した。

[画像・上:ワークショップの会場風景]

◆さらなる開発支援へ助成対象や金額を拡大

1日目のワークショップでは、日本・ニュージーランドの地熱資源の概要、開発サイトを紹介。

ニュージーランドは電力構成のおよそ60%を水力が占め、地熱発電は全体の17%(2015-2016年)。2025年までに90%を再生可能エネルギー化する目標を掲げている。現状までに開発済みのサイトの容量は1,005MWという世界第4位の地熱大国だ。同国の地熱資源開発は、政策優遇よりも経済的なインセンティブによって促進されているという。

2日目の事業成果報告会では、まず石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)地熱部の西川部長が、平成27年度の事業概要を報告。民間企業や地方自治体の実施する地熱調査案件のうち、昨年の助成金交付は26件(うち新規11件)。地熱発電の事業化に向けた開発支援の対象として、地熱貯留層掘削技術開発を追加し、大規模案件の促進のための助成金として、坑井掘削の補助率を従来の2分の1から最大4分の3まで拡充する予定だという。新たな大規模開発プロジェクトの開拓に向けて、国立公園などにおける空中物理探査データの取得・解析を進める。

◆地熱事業のファイナンス面バックアップも

続くセッションでは、地熱部地熱探査課の亀山正義氏が地熱資源ポテンシャル調査概要として空中重力偏差法探査(AGG)と時間領域空中電磁探査(HeliTEM)を紹介。平成27年度の実績として、八幡平、湯沢・栗駒、ニセコ、大雪山および武佐岳での調査実施を報告した。平成24年度から実施の一部データについては、報告書を無償で一般提供する。

リスクマネー供給実績としては、同機構から債務保証を受けた2事業者が事例報告。福島県土湯温泉地域のつちゆ温泉エナジーは、およそ4億5,000万円の債務保証を得て、既存の温泉井を活用した400kWのバイナリー発電を手掛ける。九州電力子会社の九電みらいエナジーは、過去新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による調査井であったサイトを活用して5,000kWのバイナリ―発電事業を立ち上げた。債務保証額は32億円。共に昨年稼働を開始し、稼働率は90%を超える。

⦅AGG/HeliTEM⦆空中重力偏差法探査(AGG:Airborne Gravity Gradiometer)とは、ヘリコプター内に計測機器を搭載して、地下の岩石密度分布を測定する方法。一方、時間領域空中電磁探査(HeliTEM:Helicopter-borne Time-domain ElectroMagnetic)とは、地下の岩石の電気抵抗分布と磁気データを同時に取得する測定法で、ヘリコプターから計測器を吊り下げて実施する測定方法を指す。

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