青森県おいらせ町に「本州最北」水素ステーション建設へ、寒冷地で懸念される凍結対策に地中熱を利用、使用済み太陽電池パネルの再利用で電力をまかなう、三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合

青森県おいらせ町に、北東北・北海道では初の固定型水素ステーションが建設されることとなった。ホンダ岩谷産業が共同開発した「スマート水素ステーション」を用い、電気分解で水素を製造する。寒冷地で懸念される凍結対策に地中熱を利用、使用済み太陽電池パネルの再利用で電力をまかなうなど、興味深い内容となっている。

事業を手掛けるのは、隣接する同県三沢市でメガソーラーを設置運営し、メンテナンスも手掛ける三沢市ソーラーシステムメンテナンス事業協同組合(代表:相場博氏)で、総事業費は約2億円。7月15日、環境省の地域再エネ水素ステーション導入事業の2次募集への採択が決まったところであり、来年3月末の完成、4月以降の供用開始を予定している。

同組合の設立は2012年の8月。三沢市内でも県外企業によるメガソーラー立地の動きが活発化する中で、地元企業の参入により、地域の発展に貢献したいと考えたという。同市内2カ所に合計約2.8MW弱の太陽光発電所を有し、売電事業、メンテナンス事業を行っている。

震災による広域停電の経験により、エネルギー自給の必要性についての認識が高い同県内だが、水素化により、必要な地点にFCVで移動して電力供給することで、広域停電時の対応能力は格段に高まる。

一方、地中熱利用においても、これまで前例のない案件となる。凍結防止のため、地中熱で温めた空気をそのまま利用し、ヒートポンプを用いない。送風以外に電力を消費せず、構造が簡単であるため、メンテナンスも容易となる。

さらに、電気分解用の電力を供給する太陽光発電パネルについては、同組合と東芝環境ソリューションが共同開発するリユース・リサイクルラインの製品を用いる。両者は6月1日に基本合意、6月6日には、中小企業庁の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の採択が決まった。11月には事業をスタートするという。今後、太陽光パネルのリプレース等により大量のリユース・リサイクル需要が発生することは必至であり、この点でも注目すべき事業だ。

地方の中小企業が集まった事業組合が水素ステーションを手がけるのは初めてのこと。地中熱の利用例としても初のケース、太陽電池パネル・リサイクル事業も前例がない。日本初が多いことには驚かされる。

同組合によれば、水素ステーションには青森県が深く関わってきたとのこと。同県は、今年3月に策定したエネルギー産業振興戦略の中で、分野別戦略プロジェクトとして、水素製造関連事業を盛り込んでおり、関連事業の育成により2030年までに約2,000の雇用創出を見込む。

地方の中小企業が先端的な事業を手掛ける事例として、地元でも大きな話題となっているようだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Find us on Facebook

アーカイブ

カテゴリー

ページ上部へ戻る