水道施設の水力発電 ポテンシャル調査結果を公表、環境省ら

環境省厚生労働省は9月13日、水道施設への小水力発電の導入ポテンシャル調査結果について公表した。両省は昨年度から、全国1,500以上の水道事業者などを対象に、水道施設における小水力発電の導入候補地の選定や導入規模などを調べるアンケート調査(一次調査)を実施。調査で得られた流量や水位差などを元に算定した発電出力の概略において20kW以上となった895地点(371事業者)を選別。この中から、協力の得られた563地点(275事業者)を対象に、二次調査として一年分の日流量や日平均水位などを含む施設情報などの収集を行った。

[画像・上:図1=発電出力別施設数]

今回発表となった報告書は、一次調査結果の中間報告書とともに、二次調査によるデータを元に、実流量・水位に基づく発電出力及び発電電力量の算定や、導入効果の試算、施設カルテ作成などを行った結果を取りまとめたものだ。

調査結果によれば、二次調査を行った563地点について、発電出力の総量は約1万8,742kWであり、発電事業を行った場合、年間の発電電力量は1億5,848kWhと算出された。これは、売電収入にして約53億5,100万円、CO2削減量では59万2,000t余りに該当するという。また、563地点のうち、発電出力が20kW以上となるのは274地点あることが分かった。このうち、93地点は50kW以上であり、100kW以上も27地点存在する。

表:水道施設への小水力発電導入ポテンシャル調査

表:水道施設への小水力発電導入ポテンシャル調査

調査対象地点数では中部ブロックが100を超え、中四国、九州、関東が続く。一方、20kW以上の地点数では関東ブロックが65地点と最多で、100kW以上も8地点を有し、全量売電した場合の収入や二酸化炭素削減量ではトップとなる。

水道事業は全体で年間約74億kWhの電力を消費しており、これは全体の約0.8%にあたる。一方で、水道施設への小水力発電の導入率は2.7%と低い。このため、環境省ではこれまで、水道施設における小水力発電の普及・拡大に向けて、設備の低コスト化やコンパクト化といった導入可能性を広げる技術開発に取り組むとともに、富山県や福島県などで実証実験を行って来ている。小水力発電では、小河川や農業用水などでの事例が目立つが、水道施設では発電量の変動が少ないうえ、不純物が少ない水を利用するためメンテナンスの面でもメリットがあるという。

図2:CO2削減量

図2:CO2削減量

両省は今年度から連携事業として、水道施設の更新に際して未利用圧力等を活用する小水力発電設備の導入や水道設備の省エネ化を支援する「上水道システムにおける省CO2促進モデル事業」(今年度予算額24億円)を進めているところ。

今回の調査結果公表により導入効果が具体的に示された形となった。このことが各水道事業者の小水力発電導入促進に繋がるか、動向が気になるところだ。

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