「NTNマイクロ水車」 福島県内で実証完了、12月発売へ

精密機器メーカーのNTN(大阪市)はさきごろ、福島県須賀川市の「新安積疏水」で進めていた出力1kWの小水力発電装置「NTNマイクロ水車」の実証試験が終了したと発表した。今後、商品化を進め、12月より販売開始の予定だ。

[画像・上:現地見学会の様子]

用水路で小水力発電を行う場合、一般的な水力発電装置では水路を堰き止めて水位の落差を利用するため、落差形成のための高額な工事費用が課題になっている。これに対して「NTNマイクロ水車」は自然の水流による発電が可能なので、落差形成のコストは必要ない。既存の用水路の壁面に簡易的な工事で、低コストで設置できることが最大の特長だ。

また、同一水路に複数台、直列配置しても装置間の干渉が少なく台数に応じた出力が得られる。さらに、水のエネルギーを逃さない独自の翼形状と低トルク軸受で高効率発電を実現する。

実証試験を行った小水力発電機「NTNマイクロ水車」の外観

実証試験を行った小水力発電機「NTNマイクロ水車」の外観

同装置の水車は、流水式プロペラ水車を採用。翼径は60cm、90cm、120cmの3タイプを用意する。奨励水路幅と水深はともに100cm以上で、既存の農業用水や工業用水に設置できる。

実証試験は、本年6月から8月の3か月間、日本三大疏水の一つに数えられる「安積疏水」から、新たな開拓地に水を引く幹線水路の新安積疏水で実施された。河川法に基づき農林水産省の承認、水路を管理する安積疏水土地改良区(郡山市)の許可を得て開始した。

直列配置した「NTNマイクロ水車」

直列配置した「NTNマイクロ水車」

実証試験では、農業用水路として利用されている部分に、水路長100mにわたって最大10基の装置を直列に設置し、発電性能、水路への影響、保守性などの検証を行った。翼径90cmのモデルでは、流速毎秒2mで1kWの発電電力となる試験結果を得ている。

同社は、用水路の流水による自然エネルギーを電力に変換するNTNマイクロ水車は、地域経済や産業の発展に貢献する商品と位置づけ、2025年までに売上50億円を目指すという。

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