新たな触媒を用いたバイオ燃料生産システムのNEDO事業・実証試験開始

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、廃油などを用いた新たなバイオディーセル燃料製造システムの実証実験事業を種子島で開始する。

[画像・上:本システムでは、種子島の2カ所に燃料製造装置が分散される一方、触媒の再生プロセス装置は1カ所で集中的に処理される予定だ(提供:NEDO)]

システムの開発や実験を担当するのは、エプシロン(東京都中央区)、東北大学、特定非営利活動法人こすも。

廃油を基にバイオディーゼルを製造する現場では、現在はアルカリ触媒が多く用いられている。しかし、回収した廃油が廃食用油の場合、そのほぼ半分が酸化3以上の低品位で燃料の原料として使用できていない。また出来たディーゼル燃料も不純物が混交し品質が高いとは言い切れず、なおかつ脂肪酸を含む廃油を処理すると化学反応が起きて脂肪酸ナトリウム(もしくは脂肪酸カリウム)つまり石鹸が副生されその除去処理が必要、などの課題を抱えている。

これらの課題の解決策として、東北大学はイオン交換樹脂触媒を開発した。しかしこの触媒は使用してゆく中で触媒活性が低下するので、定期的にイオン交換樹脂の再生過程が必要になる。

イオン交換樹脂触媒法の実用化を目指す本プロジェクトでは、樹脂再生プロセスを組み込んだバイオ燃料生産システムを構築した。燃料製造プロセス装置は小規模にして種子島の2カ所に設置。一方樹脂再生プロセス装置は1カ所の集中型とする計画だ。

燃料の製造においては、原料である廃油は酸触媒の機能を持つ陽イオン交換樹脂透過過程と、アルカリ触媒の機能を持つ陰イオン交換樹脂透過過程を経る。これにより、石鹸の元である脂肪酸は燃料にほぼ100%転化、水やグリセリンも樹脂内に吸着される。結果、従来手法で発生していた副生物は大部分が除去され、流出するのはバイオディーゼルの主成分である脂肪酸エステルと微量のメタノールだけになるとのことだ。

実証実験は2017年度まで行われる予定。燃料製造装置には排熱利用が可能な機能も備わっており、地域エネルギーに更なる貢献も期待される。

イオン交換樹脂を触媒・吸着剤とする脂肪酸エステル製造装置とそのメカニズム(提供:NEDO)

イオン交換樹脂を触媒・吸着剤とする脂肪酸エステル製造装置とそのメカニズム(提供:NEDO)

NEDO・バイオマスエネ地域自立システム化実証事業6テーマ採択

さらにNEDOはこの11月、今年度の「バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業」6テーマの事業性評価(FS)を新たに採択した。

2014年度からスタートしている本事業。バイオマス種(木質系、湿潤系、都市型系、混合系)ごとに地域の特性を生かした最適なシステムとしての事業性を評価。その上で実用性の高い技術指針や導入要件として取りまとめ、公表される。

採択テーマおよび委託予定先は次の通り。

(○採択テーマ、◇委託予定先、▲実施地域、の順)

①都市と農業地域を繋ぐ循環型バリューチェーン構築を目的とした実証開発の事業性評価(FS)
◇竹中工務店
▲千葉県

②家畜ふん尿由来のバイオガスエネルギーを利用した酪農地域自立システムの事業性評価(FS)
◇阿寒農業協同組合/北海道エア・ウォーター
▲北海道

③竹改質による燃料化の事業性評価(FS)
◇日立製作所
▲福岡県

④山林循環再生をめざすバイオマスエネルギー活用地域自立システム化実証事業の事業性評価(FS)
◇山陽チップ工業/EECL
▲山口県

⑤中山間・内陸に適した木質バイオマスエネルギー需給複合型システムの事業性評価(FS)
◇長野森林組合
▲長野県

⑥里山エコリゾートのためのスローテクノロジー統合型の地域木質熱利用システムの事業性評価(FS)
◇東海大学/東急リゾートサービス
▲長野県

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