「小形風力にも大形並みの安全を」=ニチボウ「ファイアイレイス」・「イレイスチューブ」電源不要で自動消火

風力発電施設火災は、消火活動が非常に困難である。風車は居住地域などから離れた地点に立地することが多く、火災の早期発見が難しい。また、ナセルが高い位置にあることや、近づくための道路整備の問題などにより、火を噴きながら回転する風車に接近することも難しい。

ニチボウ(東京都品川区)は、風力発電施設向け自動消火装置にいち早く取り組んできた企業だ。既に250基の設置実績がある同社は、最近普及が進んできている20kW未満の小形風力発電施設に適した自動消火装置として、「ファイアイレイス」及び「イレイスチューブ」を提案する。

[画像・上:風車ナセル内への「ファイアイレイス」設置イメージ(提供:ニチボウ)]

一般的に、自動消火装置というと、感知器を用い、煙や火炎を感知して作動するスプリンクラーなどを想起するが、電気的に作動する感知器を使用しないのがファイアイレイスの特長。外径6mmの特殊樹脂チューブが温度(約92℃)を感知して破裂することで容器内の消火剤が噴射される。

またイレイスチューブは外径17mmのチューブに消火剤を封入したもの。火災時にはチューブが破裂した箇所から消火剤が放出される。容器を置くスペースがなくても設置可能な仕組みだ。

電源不要のシステムであるため、停電時でも確実な動作が期待され、電気的なトラブルとも無縁だ。運転停止中やメンテナンス中でも確実に作動する。

消火剤には、Novec1230(FK-5-1-12)を使用。火災を瞬時に消火するとともに、絶縁性能が高く電気設備に悪影響を与えない。

設置された「ファイアイレイス」(提供:ニチボウ)

自動消火だけでなく、消火装置の作動信号を風車の制御盤に組み込み、警報の発報や連動停止も可能。電源不要なシステムであるため、バックアップ用のバッテリーも不要で、長期間にわたり機器交換なしに使用が可能だという。

大形風車に比較すると、20kW未満の風車は、ナセル内も狭く、大掛かりな装置追加は難しいという印象もあるが、「ファイアイレイス」「イレイスチューブ」のチューブはフレキシブルで、狭くて入りくんだ空間にも設置が可能。風力発電設備以外にも、リチウムイオン蓄電池設備や電力盤等の電気設備、鉄道やバスなどの交通機関、自動工作機械などへの設置実績もある。

小形とはいえ、20㌗級風車のハブ高はおよそ20m。消防自動車による消火に難しさがあるだけでなく、延焼を引き起こすリスクも高めとなる。風力発電施設は、外見的にも近隣住民に不安を抱かせることがあるだけに、事故時の安全性について、説得力のある設備の導入は重要だといえる。

もちろん、ナセル内だけでなく、パワーコンディショナーや系統接続設備の火災向けにも対応可能だ。ニチボウは様々な再生可能エネルギー関連設備における安全・安心に貢献したいとしている。

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