活物質と集電体との剥離防ぐLiBの製造・加工技術開発 =安永 ―バッテリーの長寿命・高速充電化図る

工作機械や電子・半導体メーカーである安永(三重県伊賀市)はこのほど、リチウムイオン電池(LiB)の正極極板製造に関する独自技術を開発した。この技術を用いることで、初期容量から70%にLiBが充放電によって機械劣化するサイクルが、従来品だと5,000サイクルほどだったのに対して6万サイクル以上にまで向上するとしている。

[画像・上:本技術を用いたLiBと、従来のLiBの機械寿命評価(提供・安永)]

二次電池は、極で電子のやり取りによる酸化還元反応が起こることで充放電ができる。極は、イオンの取込・放出に直接関わる活物質(LiBの場合コバルト酸リチウムなど)と集電体(LiBの場合アルミ箔など)との複合材料で構成される。

従来だとこの活物質と集電体は、バインダーと呼ばれるポリフッ化ビニリデンなどの樹脂素材の接合材のみにより接合されている。よって、充放電による活物質の膨張・収縮で徐々に結合が弱まり剥離が発生。これがLiB全体の寿命に大きな影響を与えている。

そこで安永は、電極の表面積拡大及び活物質層へのアンカー効果増大を狙い、集電体側への微細な特殊加工と、電極表面への微細溝加工という、独自の加工・製造技術を開発した。

集電体への特殊加工には貫通孔形成も含まれる。これにより、活物質同士を結合させて剥離耐久性を向上させ、加えて電解液の通行口となることによる液偏在防止にも貢献。電池寿命向上のために相乗効果を生み出しているとのことだ。

集電体と活物質間の界面抵抗低減を示すグラフ(提供:安永)

さらに、活物質と集電体との結合が強まり、両材料の界面抵抗が減少する。この効果は、コストが低いものの導電性が比較的低いリン酸鉄リチウムなどを用いるLiBにおいて、抵抗低減による充放電の高速化が望める。

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