ニプロン「PV expander」開発 太陽光発電増設・余剰蓄電用「パネル+PVマキシマイザー+LiB」をパッケージ

ニプロン(兵庫県尼崎市)のパワーエレクトロニクス技術の粋である「PVマキシマイザー」(PVM)。太陽光発電所の持つ発電ポテンシャルを発揮させるデバイスとして定評がある。同社は現在、このPVMと太陽光パネル、蓄電池を組み合わせた、既設発電所の増設用パッケージを開発している。「次世代のPV事業」を見据えたその商品開発の現場を訪ねた。

[画像・上:ニプロン「PV eXpander」。太陽光パネル、PVマキシマイザー、蓄電システム一式からなる、太陽光発電所増設・余剰蓄電パッケージだ(提供:ニプロン)]

「後付け過積載」で最大限効率的な売電を実現

太陽光パネルの価格低下と共に、既設発電所へのパネル増設に注目が集まっている。しかし、既設のパネルと同じ出力でも、電流Iや電圧Vの描く出力カーブ特性が異なる場合、そのままパワコンに接続しても十分な性能を果たせない。

ニプロンのDC/DCコンバータであるPVマキシマイザー(PVM)はここで、ストリング毎に電圧を上げて最適制御を可能にする。つまり新設パネルだけでストリングを構成しても、この新規ストリングに関して、PVMを介してパワコンに接続することで、ストリング単位でMPPT(最大電力点追従機能)制御が可能だ。発電の性能をさらに引き出すことができる。

ニプロンは、このPVMに太陽光パネル、容量40kWhのリチウムイオンバッテリーからなる蓄電システムを組み合わせた増設パッケージ「PV expander100」(PVエクスパンダー100、PVX100)を開発した。蓄電池を組み合わせることにより、パワコン定格電流を超える余剰発電電力が発生しても、蓄電池に蓄電する。ピークシフトのオペレーションも行うことができる。

ポイントは、蓄電池制御によって発電所のパワコンが受け入れ可能な量の電力だけを増設ストリングから注入するマネジメントにある。パワコンには過入力を与えない。これにより、パネルの合計設備容量がパワコンの定格電流を超える「過積載」の仕様であっても、発電・売電の運営の中でパワコンの定格電流の制約を受けることがない。

さらに、増設ストリングがパワコンのMPPT制御と協調作動する際、パワコンの入力電力を外付けセンサーで検出する方法を採用した。これにより、専用の設備構築が必要だったパワコンとの通信が不要になった。より増設と蓄電の手順をシンプルにすることを可能にした。

実はニプロンは、これまでもPVMはもちろん、パネルや蓄電池システム構築も個別で受注していた。しかし増設や過積載の場合、発電所の立地や設備の仕様、そして発注業者の予算・今後の事業展開予定などを細かく勘案して対応する、一種の「オーダーメイド」になる面がある。その分、設備完成までに時間がかかっていた。

今回PVX100という増設・余剰蓄電のためのパッケージとすることで、工期短縮に繋げる。

3月の「第7回[国際]スマートグリッドEXPO」でお披露目へ

パッケージにすることで、発注側も受注側も設備投資コストの見立てが持ちやすくなるというメリットを享受できる点も見逃せない。ニプロンはPVX100の導入時コストシミュレーションも公開した。条件は、パワコンの定格電流1MW、既存パネル容量1MW、増設したパネル1MW、設置蓄電池容量400kWhという、過積載率200%の太陽光発電所だ。

これによると、PVX100導入によって予想される年間の売電額増加(平均)予想分で想定初期投資費用額を割ると、売電価格1kWhあたり40円の場合は表面利回りは約13%、36円の場合は表面利回りは約12%が可能との試算を弾き出している。

パッケージはビルディングブロック方式を採用。機器を連結可能とすることで充放電電力や蓄電容量の設定の自由度を高めた。導入後の追設も可能。例えばこの先の蓄電池価格低減を見越して、複数年度に渡る投資計画を立て、追加の設備投資を行うなどの柔軟な対応ができる。

PVX100は、3月1日から東京ビッグサイトで開催される展示商談会「第7回[国際]スマートグリッドEXPO」で正式披露される予定だ。

今回説明していただいた、ニプロンの本部営業部 新規事業開発担当 参事・松田泰英氏(右)と、未来事業本部 空営業課 課長・西留直樹氏

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Find us on Facebook

アーカイブ

カテゴリー

ページ上部へ戻る