【年頭所感・2017年:学術・研究開発⑩】北村 和也(日本再生可能エネルギー総合研究所 代表)「本格的な分散化エネルギーの時代へ ~キイワードは、熱、VREとICT」

2017年は分散型エネルギーの本格的なスタートの年となることが「決定」している。年頭に決定とは何かと思うだろうが、押し戻せない流れがそこにある。これを裏付ける世界のエネルギーを巡る進化のスピードは想像を大きく超えている。

パリ協定の〝想定外〟の早期発効は、日本政府の対応の遅れという相変わらずのガラパゴス性を表出させた。パリ協定は脱化石燃料を確定させ、再生エネの拡大とエネルギーの効率化を強く要求している。再生エネは地域に広がるエネルギー利用であり必然的に分散化する。エネルギー効率化の実践は地域密着でしか達成できない。

主要なシンクタンクやエネルギー機関はいずれも再生エネを将来のエネルギーの主役としている。2040年に向けての投資の6割が再生エネとするIEA(世界エネルギー機関)は、最近再生エネの拡大予測を前倒しした。

驚くのはEVの急拡大である。VW社のディーゼル車のデータ偽装があったにせよ、欧米でのEVの販売ペースが上がり、2040年には新車の3台に1台がEVと予想されている。FCVの旗振り役トヨタにさえEVシフトの動きがある。欧州ではEVの電気はCO2フリーであることが強く求められる。ガソリンから再生エネへの移行は、交通燃料までが分散化することを意味する。

エネルギーの分散化はエネルギービジネスに何をもたらすのだろうか。まず再生エネの有力な使い道である「熱」への注目度が増す。熱は遠くへ運ぶことが難しく熱供給システムは分散化が前提となる。また、太陽光や風力発電などの「VRE」(変動再生エネ)が焦点となる。VREは限界費用がゼロ、燃料代タダが最大の特徴である。限界費用の高い化石燃料発電を残してVREの出力制限をするのは経済原理に反している。そして、この安価なエネルギーを無駄なく使う各種の柔軟性を駆使するために「ICT」の利用が重要となる。

3つのキイワードは、2017年以降の事業成功のキイワードでもある。

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日本再生可能エネルギー総合研究所

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