【年頭所感・2017年:学術・研究開発⑬】山地 憲治(〔公財〕地球環境産業技術研究機構〔RITE〕理事・研究所長)「再エネは『複眼的視点』が求められる 新たなステージへ」

あけましておめでとうございます。

昨年は、地球温暖化防止のための国際的枠組みであるパリ協定が発効しました。エネルギー分野においては再生可能エネルギーが大きな推進役のひとつになると目され、その導入に追い風となることが予測されます。

国内においては本年、改正FIT法が施行されます。その対応および現況との整合性のために、今年の調達価格では大きな変更が施されました。

風力や地熱など、事業開始までに時間のかかる方法についての事業予見性を高めるべく、3年先までの買取価格を提示する新たな措置が取られました。価格目標設定、2MW以上の太陽光発電の供給について入札制度導入も、今年のFITには盛り込まれています。

新たなFIT制度の下では、各電源の導入をバランスさせるために調達区分も細分化されました。制度が複雑化するのは必ずしも良いことばかりとは言えません。しかしこれも、導入量自体を各電源でバランスよく増加させ、ひいては再エネの産業としての将来的な独り立ちを促すための措置なのです。

長期的な拡大の展望と、足元の制度の厳密化。再エネ事業を取り巻く状況は、かくも複雑な様相を呈しつつあります。しかし事業として見た場合、利益が保証されている状況のほうが例外的であると言うべきです。リスクを勘案しメリットを狙う。それがビジネスの本来の姿だからです。

いっぽうでエネルギー事業には、市場原理だけで割り切れないパブリックな要素があります。再エネではそれは、エネルギーの製造時CO2排出削減、国内調達率向上などが該当するでしょう。今後はこれらのみならず、エネルギーの安定供給や国民負担軽減などの面でもパブリックな貢献が益々期待されるはずです。

市場原理と公的責務。自社利益と外部経済。それらをバランスよく、複眼的視点で捉えてゆくことが、今こそエネルギー事業者全体として求められています。

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〔公財〕地球環境産業技術研究機構〔RITE〕

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