CCSの現在(上) 火力発電排出CO2削減の議論で存在感

火力発電などから人為的に排出されるCO2を分離・回収し地中や海洋などに長期的に貯蔵するする技術、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)。導入に向けた取組が世界中で行われているが、その中で近年、実際にCCSを導入するまでの準備をする「CCS Ready(CCSレディ、以下CCSR)」の重要性が国内でも指摘され始めている。今般、環境省がこのCCSRに関して調査し、報告書を公表した。なぜ今CCSなのか、CCSRなのか。報告書を繙きつつ考える。

[画像・上:CCSの事業イメージ(資料:経産省)]

CCSRとは何か

パリ協定を踏まえ2016年5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」では、「地球温暖化対策と経済成長を両立させながら、長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す」とされている。

地球温暖化対策という地球規模の課題に対応するために、また時限を区切った数値目標を確実に達成するために、火力発電などのCO2の大規模・長期稼働排出源に対して早期に対策を検討しなければならない。

この対応としてCCSを導入する場合、実際に発電所に導入する段階でCCSに関する設備が円滑に追加設置できるように、用地確保などの準備を行うこと。これがCCSRになる。

石炭火力発電に関する世界の動き(資料:環境省)

世界では制度化が進むCCSとCCSR

報告書では海外のCCSの状況として、イギリス、ドイツ、アメリカを調査している。

イギリスでは2009年に、ドイツでは2012年に、それぞれCCSRは既に制度化されている。アメリカでは2010年、許可制でCO2地中貯留が可能になった。

加えてCCS導入促進のために、研究・開発補助金や税制優遇措置などのインセンティブ制度も各国で整えられている。いわば、制度化とインセンティブという「アメとムチ」で政策的にCCS推進を図っている。

【(下)に続く】

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