CCSの現在(下) 環境省/経産省がCCS Ready導入を議論

(上)より続く】

[画像・上:環境省による、発電分野におけるCO2削減に関するヒアリングでも、「石炭火発とCCSはセットで考えるべき」などの意見があがった]

発電分野における地球温暖化対策のまとめ(資料:環境省)

石炭火発とCCS 

国際公約となった、2030年度に2013年度比でCO2を26.0%削減という日本の目標。国内のCO2排出総量の約4割が発電部門から排出されており、この目標と整合させるために発電分野からのCO2排出係数1kWhあたり0.37kgにする目標を、環境省経産省、発電事業者は掲げた。なお現状(2015年度)の発電分野のCO2排出係数は、1Kwhあたり0.531kgと発表されている。

火力発電の燃料種ごとのCO2排出係数比較(資料:環境省)

この目標達成のために、再エネ導入と共にCCS導入は有力な方策のひとつと目されている。特に、現在の技術でCO2排出係数が1kWhあたり0.8kgを超えている石炭火力発電への導入が念頭に置かれている。20年頃にCCSを商用ベースに乗せた上で、30年までに石炭火力発電所にCCSを導入することが、エネルギー政策上、環境政策上の方針となっている。

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3月、関西電力子会社の関電エネルギーソリューションと東燃ゼネラルが千葉県市原市で推進していた、出力100万kWの石炭火力発電所事業計画について、解消することが発表された。

この決定の背景には、この石炭火発が潜在的に持つ環境への影響に対して歴代の環境大臣が懸念を表明していたことがあると言われている。

発電コストの低さで事業者を惹きつけてきた石炭火発に、新たな潮流が生じつつあることを感じさせた出来事だった。

着実に実行されつつある電力システム改革や、これから系統に大量に導入されることが予想される再エネなど、エネルギーを巡る状況は変化のうねりを止めることがない。

そして環境規制も変化し続けている。特に近年は自由化によって形成される市場や、気候変動政策強化の傾向により、変化の幅は増幅しつつある。発電事業において昨日はクリアしていた環境基準が急に厳しくなり、次の日には不適合とされてしまい設備が座礁資産と化す可能性がある。

そのような中で、化石燃料発電由来のCO2を削減する技術オプションとして、CCSは高いポテンシャルを持つ。安定的な電力供給への貢献という視点から、CCSの今後の展開に期待したい。

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