耕作放棄地再生、ふたたび営農へ 千葉県匝瑳市でソーラーシェアリングのメガソーラー運開(中)主眼は耕作放棄地再生

(上)より続く】

[画像・上:約3.2haの広大な敷地に、架台が整然と並ぶ]

本事業者がソーラーシェアリングに取り組んだ背景には、深刻な農業の状況がある。就農者の高齢化などによって、地域には耕作放棄地が広がっているのだ。匝瑳市飯塚地区の農地約80haのうち約20haが耕作放棄地となっている。

農作物を育ててきた農地は、当然のことながら基本的に日照条件が良い。つまり太陽光発電の条件にも恵まれている。2013年の農水省通達によって仕組みや手続きが明文化され、太陽光発電所への農地転用がより容易になってもいた。一方で本事業者は、耕作放棄地の耕作再開と農業経営安定化に売電益を活用するため、発電所への全面転用ではなく、発電と農業の両立を選んだ。

冒頭挨拶に立つ、匝瑳ソーラーシェアリング合同会社の代表(職務執行者)、椿茂雄氏

「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」の敷地も、かつてはその殆どが耕作放棄地となっていた。耕地とするためには、地力を回復しなければならない。事業者はこれまで、他の耕作放棄地でのソーラーシェアリングを運営する中で、パネルの下で緑肥を栽培し、土壌肥沃化を行ってきた知見を持つ。今後「第一発電所」でも、大豆や麦などの栽培を始める。収穫した麦を原料として、「いつかここで穫れた麦からビールを作り、ご当地特産品『匝瑳ビール』にしたいですね」と、合同会社の東光弘氏は笑う。

農作業を行うのは、合同会社Three little birds。BDF(バイオディーゼル燃料)の研究開発も行っている

さらに農業には、従事者の問題もある。そこで本事業では、地元の農業従事者である佐藤真吾氏と齋藤超氏ほかが営農のための合同会社Three little birdsを設立。匝瑳ソーラーシェアリング合同会社と耕作委託契約を結ぶことで実際の耕作作業を担う。これによって、発電事業者、営農者、そして地権者という地域の農業従事者の中でマネーフローのサイクルが描かれることになる。

(下)に続く】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Find us on Facebook

アーカイブ

カテゴリー

ページ上部へ戻る