耕作放棄地再生、ふたたび営農へ 千葉県匝瑳市でソーラーシェアリングのメガソーラー運開(下)エネルギーが農業とできること

(中)より続く】

[画像・上:落成式での集合写真]

4月3日、発電所の落成式が開催された。式には、細川護熙、小泉純一郎、菅直人の総理大臣経験者3氏はじめ地元関係者など多数が参加した。

耕作放棄は全国的な問題だ。農水省によると、2015年でその合計は42.3万haにのぼっている。一方で実際に耕作を行っている耕地面積は年々減少しており、最盛期である1961年の608.66万haから、2015年には449.6万haにまで落ち込んだ。

全国の耕作放棄地統計。年々増加している(資料:農水省)

エネルギーの地産地消が可能という再エネ・分散型エネルギーの特長を活かし、農業の直面するこの問題に取り組む本事業。FITで売電される収益から年間200万円を地域支援金として、農道整備や環境保全の資金として基金に寄付することも表明されている。

FIT価格逓減や自家消費傾向など、発電事業にも変化の兆しが訪れている中、エネルギー・農業・地域を結ぶ新たな試みの先進的な事例として、今後も注目したい。

 

「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」落成式の主な参加者コメント

▼椿茂雄・匝瑳ソーラーシェアリング合同会社職務執行者「この発電所の年間発電量は約1,424MWhで、一般家庭消費電力の約288世帯分に相当する。匝瑳市飯塚地区の合計世帯数は250ほどなので、このソーラーシェアリングで地域の電力全てを賄える計算になる。売電益の一部を地元農業に還元するなど、エネルギー地産地消事業を推進する中で、農業を活性化し、さらに農業で地域を活性化したい。ひいては国内農業再生に寄与したい」

 ▼小泉純一郎・元総理大臣「大きな転換期にある農業とエネルギー。ソーラーシェアリングならその両立ができる。自然エネルギーを上手く活用し、農家の収入を増やす素晴らしいアイディアだ。今後全国の、そして世界の模範となることを期待したい。…それにしても、今まで様々な式典に出席してきたが、総理経験者が3人も集まった式典は初めてだね」

 ▼ソーラーシェアリングの発案・特許者である長島彬氏(CHO研究所代表)「ソーラーシェアリングの意義は『発電所が自然と共生できる』ことにあるはず。その意味で、農業が主、発電が従にあるこの発電所は本来の意義が達成されている世界初のメガソーラーだ。世界に目を向けると、従来日射が強すぎるがゆえに太陽光発電に向かないとされていたケニヤなどアフリカ南部でもソーラーシェアリングは注目されており、可能性は大きい」

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