京セラが17年3月期決算発表 自社ブランドSOFC今年発売、エネ部門事業でも巻き返しへ

京セラ(京都府京都市)は2日、2017年3月期の連結決算を発表した。

[画像・上:会見に臨む谷本秀夫・京セラ代表取締役社長。谷本社長は前任の山口悟郎・現代表取締役会長に代わって今年4月に就任した]

これによると、売上高は1兆4,227億円あまりで対前期比3.8%減。純利益は1,038億円あまりで、対前期で約4.8%の減益。自動車用部品や半導体などでの売上げは堅調にしたものの、通信機器や太陽光発電事業では苦戦が続き、2期連連続での減益となった。

その一方で、各部門での合理化、資産売却などを進めた結果、1,045億円あまりと、当初予想を上回る営業利益を出した。

エネルギー関連では、今年1月にHEMSの新製品「NAVIfitz(ナビフィッツ)」を発売。さらに4月には、積水化学が開発した薄型セルを採用する3.2kWhリチウムイオン蓄電システムも発売。これらに京セラの自社太陽光モジュールブランド「RoofleX(ルーフレックス)」を組み合わせパッケージ展開とすることで、屋根置き太陽光発電の自家消費型の流れに訴求を高める。

なお、この自家消費型システムに関しては蓄エネでエコキュートとの組み合わせへの展開も発表された。京セラの太陽光発電システムは海外ではタイにおいて売上げを伸ばしており、他の東南アジア諸国への拡大を視野に入れつつ、海外の今季の売上げを昨年度の約2.5倍を見込む。

燃料電池でもさらなる一歩を踏み出す。扱うのは固体酸化物形燃料電池(SOFC)だ。SOFCでは内部にセラミック部品が多く使われている。京セラはファインセラミックが事業の大きな柱であり、これまでも現在国内で発売されている唯一の家庭用SOFCであるアイシン製SOFC「エネファームTypeS」に、ジルコニア系セラミック製のセルスタックを供給している。

SOFCは800℃を超える高温で作動することで、50%を超える発電効率を持つ。24時間連続作動が基本なので、住宅に設置した場合、負荷が低い夜間などの時間帯では余剰電力が発生するが、電力小売全面自由化によって電気事業はにとってこの余剰買電がしやすくなった。実際、エネファームTypeSを販売する大阪ガスや東邦ガスでは独自にスキームを設け、余剰電力の買取を実施している。エネファームTypeSに蓄電池を組み合わせるパッケージもできており、注目が集まっている。

そんなSOFCの完成品提供に、京セラは乗り出す方針だ。予定されているのは出力3kWの業務用SOFCで、今年中の販売が目指されている。

京セラは、これらの新たな展開と共に、既存事業のプロセス改革による合理化、M&Aなどによる外部リソース活用などをさらに推し進め、「年間売上2兆円の早期実現」(谷本氏)に向けて取り組みを加速する構えだ。

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