系統で独立ネットワーク構築 電力BCPサービス導入へ 東電EP/住友商事ほか

東京電力ホールディングス(HD)と、東電HD内の小売電気事業者である東京電力エナジーパートナーが展開する「プレミアムグリッドサービス」。エリア内の建物の間を繋いだ専用電力ネットワークを構築し、非常時に限定して建物間で電力を融通する、エネルギーの面的利用サービスだ。

[画像・上:「(仮称)神田錦町二丁目計画」におけるオフィスビル完成予想図。「プレミアムグリッドサービス」が導入される(提供:住友商事)]

その導入第一号として、住友商事が東京都千代田区で推進している「(仮称)神田錦町二丁目計画」で採用されることが決定した。東京電機大学と神田警察署の跡地約1haを敷地とする、総事業費が1,000億円を超える都市再開発事業だ。

同サービスでは、建物間に電力線を新たに敷設。一時的な停電が発生した際に、これを予備の電力線として電力を供給する。停電が長時間にわたる場合には、既存の系統から切り離し、プレミアムグリッドは一種の自営線のように機能して独立したネットワークを作り出す。そしてエリア内に設置する非常用の発電機を稼働させることで、各建物に電力を融通する。

提供:東京電力エナジーパートナー

なお非常用発電機と受変電設備の設置・運営管理は、東電EPの100%子会社である日本ファシリティ・ソリューションが行う。

系統を使いつつ、自立分散型電源の強みを活かして災害に対応する独立ネットワークを構築する。これまでだと、再エネも導入しつつCEMS制御によって自営線でエリア内に電力ネットワークを構築した事例として宮城県東松島市の災害公営住宅である東松島スマート防災エコタウンがある。

東松島スマート防災エコタウンの例は、恒常的なスマートコミュニティのマイクログリッドだ。一方で、系統を活用しつつ系統の接続にフレキシビリティを持たせることで災害時に独立ネットワークに切り替え、なおかつこれをBCP(災害時事業継続計画)対策とする法人向けエネルギーサービスは、プレミアムグリッドサービスが国内初とされている。

「(仮称)神田錦町二丁目計画」では、非常用発電機として出力5,000kVAのディーゼルエンジン発電機を設置。住友商事が所有する近傍のビル2棟と結ぶ。緊急時はこの発電機だけでネットワーク内の負荷を約72時間賄うことができる。

大規模災害時には建物の一部を開放。帰宅困難者を最大約850人受け入れることで、周辺地域の防災機能強化への貢献も目指されている。竣工は2020年3月が予定されている。

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