【セミナーレポート】日本風力発電協会/デンマーク王国大使館「洋上風力セミナー」(上)

日本風力発電協会(JWPA)在日デンマーク王国大使館は4月24日(月)、共同でデンマークDong Energy(ドン・エナジー)洋上風力セミナーを開催した。当初、JWPA内の会議室を会場に40名の定員で予定していたセミナーだったが、予想以上の申し込みが殺到し、会場を変更。約70名の参加者が詰めかけた。

[画像・上:ホワイドボードにグラフや図を描きつつ説明するオルセン氏。聴衆も熱が入る]

牛山泉足利工業大学理事長も急遽登壇

2050年に化石燃料からの完全脱却を目指すデンマークだが、冒頭挨拶に立ったJWPAの中村専務理事によれば、現在の風力発電設備容量は5.2GWと日本を遥かに上回り、電力の36.8%を風力で賄っている。また、その4分の1が洋上風力で、発電所は13か所、1.3GWの発電能力を有する。セミナーは、中でも洋上風力では最大手とされるDong Energy社から、アジア太平洋地域プロジェクト開発の責任者である、ジェスパー・オレセン氏を講師に招き、洋上風力ビジネスの実情をテーマに開催されたものだ。

中村専務理事に続いて挨拶に立ったのは、足利工業大学の牛山泉理事長。風力発電技術の権威である牛山理事長だが、挨拶では日本とデンマークの交流の歴史をいとぐちに、デンマークで風力発電が立ち上がってきた経緯を紹介。1891年にポール・ラクーアが世界で初めて風力発電を行ったと述べ、デンマークは技術力も人間力も素晴らしいと称えた。翻って、7割が山林という日本の国土のありようを踏まえれば、風力発電の普及は洋上の活用抜きにありえないと結んだ。

洋上風力なしに日本の風力はありえないと語る牛山泉足利工業大学理事長

2050年には再エネ100%を目指す

セミナーの導入として、デンマークの再エネ政策について、概要を述べたのは、在日デンマーク王国大使館通商部の田中泉氏。デンマークでは、経済成長に伴いエネルギー消費が伸びてもCO2排出は下がるという、「デカップリング」が実現できている。これに貢献しているのが再エネの普及だが、実はオイルショック以前には中東依存度が99%という化石燃料多消費国だった。このため、当時は社会生活に大きなインパクトがあり、この経験が、国民を挙げて化石燃料脱却に向かうきっかけとなった。

2011年に策定したエネルギー戦略2050では、再エネ100%を実現し、化石燃料からの完全脱却を目指しているが、これは長い道のりだという。それを端的に示すのが、輸送分野を中心とした石油消費が減っていない現状だ。一方、電力では風力発電が4割となっているが、エネルギー消費全体での再エネ比率は2014年で27%。これにはバイオマスの寄与が大きいという。

また、地域熱供給のインフラ整備が進んでいるため、風力発電が増えることで、電力余剰が発生した場合には、熱にすることで蓄えるという手法を用いる。このほうが、蓄電技術を用いるよりずっと安価であると述べた。

(下)に続く】

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