【セミナーレポート】日本風力発電協会/デンマーク王国大使館「洋上風力セミナー」(下)

(上)より続く】

[画像・上:当日来日したミケルセン大臣も会場を訪れスピーチを行った]

ミケルセン大臣も来場しスピーチ

セミナーでは、特別に、来日していたデンマークのミケルセン産業・ビジネス・金融大臣が来場し、スピーチを行った。エネルギー政策も担当している同大臣は、冒頭、現役閣僚であるにもかかわらず、自転車で登庁していると発言。今やコペンハーゲンでは自動車より自転車の方が多いと話し、環境意識の国民への浸透ぶりをアピールした。田中氏も触れた、経済成長してもCO2排出量が減少している点については、再生可能エネルギーにコミットすることは良いビジネスだと述べた。デンマークは世界のリーダーとして、CO2を減らしながらの成長を実証しているという。

風力技術でも世界をリードする同国だが、現在同国西部にあるテストセンターでは、高さ330mの風車を試験中だという。風車の大型化は効率向上に向けた取組の結果であり、ブレード回転面積も21万㎡と、ロンドンにある大型観覧車「ロンドン・アイ」より大きいと紹介した。

洋上風力発電は、環境へのインパクトは少なく、より競争力があるため期待できるという。大臣は、風力発電は立地場所を選び、またコスト面でもグリッドパリティには到達していないが、今後の技術革新に期待していると述べた。

台湾での洋上風力市場に参入するDong Energy

満を持してプレゼンを開始したDong Energyのオレセン氏は、まず、ミケルセン大臣の話にもあった、風車の大型化からスタート。昨年同社が建設したMHIヴェスタスの8.3MWの風車では、直径が164mに達すると紹介。風車1基に要する許認可プロセスはいっしょであり、大きいほど良いと述べ、10MWまでは既に開発中であるという。大型化で出力が高まるのは、受風面積もあるが、上空ほど風速が速まることが重要であり、風車の出力は風速の3乗に比例する。

とはいえ、風車が多数立地すれば、ウェイク(後流)の影響は避けがたく、開発上、一番重要なのはレイアウトだとオレセン氏は言う。最近のアンホルトの例では、外側ではタービン間を近づけ、内側は離すレイアウトを採用したとのこと。レイアウトの工夫により、ウェイクロスは12%ほどから5~8%ほどに減らせるという。

同社では、同社が自ら調達や建設に関する個々の契約を結ぶことで、コストダウンを図っている。一カ所の発電所を建設する際の契約先は20~25ほど。また、洋上風力発電の建設に際して重要なのは、物流を担う港の存在。部材の調達先との位置関係が重要で、状況により港湾整備が必要となる場面もあるという。

オレセン氏のオフィスは、台湾での風車建設に向けた事務所であり、台湾では11GWの洋上風力導入を目指しているという。会場からは、台湾での開発に関して、建設等に必要となる専用船の調達や、台湾沖の地質であっても欧州と同様の基礎工事が可能なのか、また、台風や地震津波などの対策について質問が出された。地震で問題になるのは何よりも液状化ということで、堆積物の層よりも下部にある岩盤に基礎を固定できれば問題はないはずとのこと。また、台風については、最近、風車メーカーがクラスTという強風に耐える風車を開発していることに触れ、台湾でも建設は可能と考えている旨を明らかにした。

これら条件は、日本に洋上風力発電を建設する際も同じこと。同社は現状、日本における開発について何らアナウンスしていないが、技術的にはいつ参入が発表されてもおかしくはない。そうなっていないのは、何か日本市場の側に足りないものがあるのではないか。そんなことも考えさせられたセミナーだった。

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