⦅いよいよ開催「ESSJ」特別インタビュー⦆ドイツ・エネルギー貯蔵協会理事シュテゥツィンガー教授に聞く「ドイツの蓄エネ事情」
- 2017/10/31
- 蓄エネ
- 新エネルギー新聞2017年(平成29年)10月30日付

11月7日(火)~9日(木)に行われる「エナジー・ストレージ・サミット・ジャパン(ESSJ)」のプレ・イベント、「欧州蓄エネセミナー」のために来日したドイツ・エネルギー貯蔵協会理事シュテゥツィンガー教授に、ドイツの蓄エネ事情についてさらに詳しく聞いた。
[画像・上:ドイツ・エネルギー貯蔵協会理事シュテゥツィンガー教授]
―エネルギー貯蔵分野では水素が関心の的だ
水素は長期間の蓄エネに適しており、ドイツでもトレンドになっているが、高コストなので実際に活用できている企業は、まだまだ少ない印象だ。
―FCVについては
現時点では全ての車両をEモビリティにして運用することは技術的に不可能なので、FCVも並行して普及すると考えられる。日本は有力なメーカーが開発しているので、ドイツより先行して普及するのではないか。
―EVは充電時間が必要だが、FCVは必要ない
ドイツではEV向けに、急速充電の新技術が開発されている。当協会の会員でもあるads-tech社のものだが、200kWhのバッテリーからEV1台を4~8分で充電できる。
環境負荷低減はEVの普及が鍵となるが、全ての自動車がEVに変わり系統から直接充電することになれば、系統に大きな影響がある。その整備には300億ユーロが必要とされる。
―約4兆円の巨額投資だ
ドイツは電気料金が非常に高く、料金には再エネ賦課金も含まれる。住宅を所有する層は屋根置きのPVと蓄電池、EVなどによりその恩恵を受けられるが、実際にはそれらを所有できない人も多く、一律に課される賦課金に対し不平等だという声も上がっている。
それらを踏まえ、系統整備への投資ではなく、より金額を抑えられるバッテリーを利用した充電システムに投資すべきというのが協会の見解だ。
―「電気銀行」という新たな蓄エネの試みも始まっている
まだ実証実験の段階ではあるが、「電気銀行」はEMSで管理された大型バッテリーに契約者が余剰電力を蓄電、必要なときには引き出して自家消費できるという仕組みだ。集合住宅の住民が屋上に太陽光発電設備を設置し、「電気銀行」を利用するということなどもできるようになるだろう。
ESSJの最初のセッション(11月7日)には、ドイツ・エネルギー貯蔵協会の専務理事であり、ストレージの第一人者であるウィンデレン氏が登壇し、世界における蓄エネの制度的枠組みや動向についての議論に参加予定だ。

