【特集「RE100化ソリューション」】「再エネ100%」が事業を加速する ~国内でも走り始めたRE100・RE Action~
- 2019/11/25
- 特集
- 新エネルギー新聞2019年(令和元年)11月25日付
「エネ需給の融合モデル」家庭・地域と共に企業活動が基軸担う
需要サイドからの再生可能エネルギー由来電力を求める動きが、加速している。
[画像・上:RE100に加盟する国内企業。2019年11月現在で28社]
2014年に国際環境NGOのザ・クライメート・グループによって発足した、事業で使用する電力の100%を再エネで賄うことを目指す企業の国際イニシアチブ「RE100」は、200社以上のグローバル企業が加盟する。アップル(米)、グーグル(米)、イケア(スウェーデン)、ユニリーバ(英蘭)、ネスレ(スイス)などが加盟。日本からは2017年4月のリコーの加盟に始まり、現在28社に上る。加盟企業は2050年までに、使用電力を100%再エネ化する。
今年10月には日本独自のイニチアチブ、「再エネ100宣言 RE Action」が発足した。消費電力量10GW時未満の企業および自治体・教育機関・医療機関等が対象で、使用電力の再エネ100%化を宣言し共に行動する。41団体が参加している。日本の電力需要の約4~5割を占める中小規模企業や企業以外の団体はRE100に参加できないが、再エネ由来電力の潜在的な需要は大きく、多くの企業・団体の再エネ電力需要を顕在化することで、希望するすべての企業が再エネを調達できる環境づくりを促進する。
再エネ電力の調達方法は年々変化している。ザ・クライメート・グループのレポート(注)では、RE100加盟企業における2015年の調達方法は、再エネ由来電力メニューの購入(34.8%)、再エネ電力証書の購入(59.6%)で全体の94.7%を占めていた。2017年には再エネ由来電力メニューの購入(35%)、再エネ電力証書の購入(46%)で全体の81%となり、企業の敷地内に設置した他社が保有する設備からの電力購入(1%)、企業の敷地外に設置した発電設備から専用線を経由して直接購入(1%)、企業の敷地外に設置した発電設備から系統を経由して直接調達(16%)で全体の18%と、直接調達の比率が上昇している。また自家発電による調達も2015年にはごくわずかだったが、2017年は全体の1%となり、徐々に広がりを見せている。
需要家側の動きを受け、再エネ電力を供給するサービスや自家消費型の発電設備設置を提案する企業が、次々と登場している。IRENA(国際再生可能エネルギー機関)は、2050年までに必要なCO2削減の94%は再生可能エネルギーとエネルギー効率化で可能と予測しており、パリ協定の目標達成には、これら再エネ100%ソリューション導入が鍵を握る。
[注]
▶RE100 Progress and InsightsAnnual Report, November 2018
▶RE100 Progress and Insights Report, January 2018
【国内企業初のRE100加盟社「リコー」インタビューへ続く】