≪インタビューシリーズ:脱炭素経営に歩み出した日本企業「フジクラ」≫RE100とCO2排出ゼロの同時達成目指す 再エネ市場拡大と活性化のためRE100加盟

各種通信ケーブル電線製造大手のフジクラが10月、事業活動で使用する電力を100%再エネ由来化することを目指す企業の国際イニシアチブであるRE100に加盟した。「フジクラグループ環境長期ビジョン2050」により、2050年「工場CO2排出量ゼロ」にチャレンジしているフジクラ。CO2総排出量ゼロのために再エネ転換は必然だが、RE100加盟により「フジクラの姿勢を示しながらも、日本の再エネの市場を広げることに貢献したい」と話すCSR推進室室長・山本高嗣氏に、同社の取組をうかがった。

[画像・上:インタビュイーとしてご対応いただいたフジクラ CSR推進室室長・山本高嗣氏 ]

―2050年に「工場CO2排出量ゼロ」を目標に掲げています

2016年にIPCCの2度Cシナリオによるシナリオ分析を行い、「フジクラグループ環境長期ビジョン2050」を制定し、4つのチャレンジを掲げて環境負荷最小化に取り組んでいます。チャレンジ1は「工場のCO2総排出量『2050年ゼロチャレンジ』」、チャレンジ2は「工場の水使用の最小化と排水管理」、チャレンジ3は「工場の人と自然の共生」で、生物多様性がテーマです。チャレンジ4が「資源の有効活用と資源循環」、工場のゼロエミッション化が目標です。4つを並行して実行することで、有効な環境保全になると考えています。メーカーとして、地球の資源を利用して製品を生産しているわけですから、その責任を果たさなければいけません。

どれも厳しい挑戦ですが、本丸ともいえるのが、CO2総排出量ゼロのチャレンジ1です。気候変動対策のために、できるだけ早く取り組もうと考えました。

―RE100加盟の狙いは

当社の主力製品である電線や光ファイバー、電子部品などは、工場で電力を大量に消費して製造されます。その電力が火力発電由来であれば、当然CO2が排出されます。では電気の使用量を減らすのか。そうなると製造量を減らすということになり、メーカーとしては難しい。再エネ由来電力を調達するか、自家消費型の太陽光発電設備などを設置しないと、CO2は削減できません。当社は2050年に向けたシナリオイメージを作成しています。エネルギーの使用量は会社が成長するほど増加します。しかし使う電気の種類を変えることで、それと反比例するようにCO2を減らしていく。

このシナリオに実現可能性があるか、また経済合理性があるかを、昨年から改めてチームをつくり、議論してきました。例えば採算を度外視すれば、高額な再エネ電力に切り替えることはできます。しかしコスト上昇を価格に反映すれば、当社の製品は社会インフラに用いられるものですので、社会全体の負担になってしまいます。グループ全体の戦略を世界各国の工場ごとに整理して立て直した結果、あらゆる調達方法からベストな選択をすることで、実現可能性、経済合理性が担保できると判断しました。新たな戦略を元にCO2総排出量ゼロの達成に向けたロードマップを作成して、経営会議で説明、RE100加盟とTCFDへの賛同も同時に承認を受け、今回の表明に至りました。

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