【《特集》下水道展’24東京】出展社ピックアップ②:三菱化工機
- 2024/7/23
- 特集
- 新エネルギー新聞2024年(令和6年)07月22日付

三菱化工機
小間番号:2-410
脱水汚泥排出量減量・バイオガス増収を可能にする汚泥熱可溶化装置の運用情況を説明
[画像・上:汚泥熱可溶化技術を組み込んだ下水処理のフロー(提供:三菱化工機)]
三菱化工機は、昨年より初号機が稼働を始めた汚泥熱可溶化装置を、収集データを元に紹介する。
下水処理場で多く採用されている嫌気性消化は、大型の消化タンクと加温設備が必要となり、中小規模の下水処理場では経済的なスケールメリットが小さいため導入が進んでいない。維持管理費を縮減し、排出汚泥量の削減とバイオガス増収による高効率な消化設備として汚泥熱可溶化装置が開発された。
汚泥熱可溶化装置を設置した唐津市浄水センターは、標準活性汚泥法を採用し、1日当たり最大3万3,000立方mの処理能力を有している。汚泥処理施設として、下水汚泥の嫌気性消化によって再生可能エネルギーであるバイオガスを回収する消化設備を備えており、このバイオガスは消化槽の加温のほか、発電に使用されている。
汚泥熱可溶化装置は、嫌気性消化に組み込み、消化脱水汚泥を熱改質し、返送することで消化タンクの加温装置として機能する。さらに有機固形物の分解率が向上し、脱水汚泥の排出量を減少させるとともに、バイオガスの増収を可能とする。
本装置によって熱改質された汚泥は、消化タンクの加温源となり、既設の消化タンクの加温設備としても付帯的に設置可能。また、脱水汚泥を熱改質するため、熱改質に必要なエネルギーが小さく、脱水ケーキの可溶化量を調整することで、熱可溶化処理によって懸念される返流水負荷増に伴う放流水質への影響も小さくなる。
ブースでは、脱水機構を付けたし尿・浄化槽汚泥用セルフクリーン-スイングディスクスクリーン、急傾斜対応型のダブルピッチバケットコンベヤのテスト機や、汚泥堆肥化装置の模型も展示する。