ごみをエタノールに変換・供給【積水化学工業/INCJ】岩手県久慈市に実証プラント新設
- 2020/6/4
- バイオマス
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)05月25日付

積水化学工業とINCJ(東京都千代田区)は4月16日、合弁会社積水バイオリファイナリー(東京都港区)を設立した。同社は今後、微生物触媒を活用して可燃性ごみをエタノールに変換する「BRエタノール技術」の実証事業の実施と事業展開を岩手県久慈市で行う。
[画像・上:将来像(提供:積水化学工業)]
積水化学と米国ベンチャー企業ランザテックは2017年、ごみ処理施設に収集されたごみ(廃プラスチックを含む可燃性ごみ)を一切分別することなくガス化し、このガスを微生物によりエタノールに変換する生産技術「BRエタノール技術」を共同開発した。
これにより、従来大量に存在しながらその工業化が極めて困難であったごみを化石資源の代替資源として使いこなすことを実現。以降、積水化学工業は実用化・事業化に向け、ビジネスモデルの検討を進めてきた。

合弁会社は同技術の実用化・事業化に向けた最終段階の実証を行うため、岩手県久慈市に実証プラントを新設し、2021年度末に稼働を開始する計画だ。実証プラントでは、標準的な規模のごみ処理施設が処理するごみの10分の1程度の量(日量約20トン)を原料とし、エタノールを生産する予定だという。
また、自治体やごみ処理関連企業、プラントメーカーなどのパートナーを広く募る。実証プラントで生産したエタノールを多くの企業に提供し、エタノールを活用する様々な製品・事業の検証を実施してもらう予定。これらの取り組みを経て、BRエタノール技術の本格事業化を目指す方針だ。

