エチオピアの5MW地熱発電所プロジェクトに設備納入へ=東芝ES

東芝エネルギーシステムズ(ES)は、豊田通商およびトルコのエンジニアリング会社であるエゲシム社と共に、エチオピア電力公社(EEP社)が計画する同国中部のアルトランガノ坑口地熱発電所向けに発電設備および付帯設備一式のエンジニアリング、調達、建設工事を受注した。設備容量は5MW。本プロジェクトはJICA(独立行政法人国際協力機構)の無償資金協力スキームを活用している。

東芝ESは蒸気タービンと発電機の供給を担当する。同社は小型地熱発電設備「ジオポータブル」をパッケージ展開している。ジオポータブルは設置面積最小化・短期間裾付・高効率などの特長を持ち、1~20MW級の小規模な地熱資源でも発電が可能だ。可搬性も有しているため、少数の掘削済み井戸(生産井・還元井)への有効活用が可能になる。

エチオピアはアフリカでナイジェリアに次ぐ第二位となる約1億人の人口を抱えていると言われている。比較的落ち着いている政情もあり経済成長が続いているが、電化率は約30㌫にとどまっており電力設備の強化が求められている。

そこで注目を集めるのが地熱資源となる。エチオピアを含むアフリカ東部全域にはリフトバレーと呼ばれる大地溝帯、つまりプレート境界が走っており、世界有数の火山地帯がある。そして大地溝帯周囲に多くの有望な地熱資源の賦存が確認されている。エチオピアの地熱資源量は約1万MWと言われており、2030年までに約2,500MWの地熱発電所を新規に導入する国家プロジェクトが走っている。

アルトランガノ坑口地熱発電所は2021年8月に運開予定。東芝ESはこれまでエチオピアに送変電設備などの重電機は納入実績があるが、発電所向けの設備としては今回が同国で初となる。2014年9月にEEP社と地熱発電分野における包括的な協業に関する覚書を締結した。この覚書を基に各種日本政府支援プログラムを活用してEEP社幹部などの関係者を東芝ESに招きトレーニングを行うなど人的育成面での協力を行ってきた。

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