CO2変換セルによるメタン生成に成功【西松建設】微生物燃料電池を応用

西松建設はこのほど、群馬大学大学院と共同で、微生物燃料電池(MFC)を応用したCO2変換セルによるメタン生成に成功したと発表した。

[画像・上:底質浄化型CO2変換セル(提供:西松建設)]

MFCは発電する微生物(発電微生物)の働きを利用して有機物から電気エネルギーを得る方式。水底に生息する微生物がヘドロなど有機物分を分解(代謝)する際に生じる電子を利用して発電する技術としても利用されている。

今回、メタン生成に成功した技術は、MFCを応用したCO2変換技術。MFCで構築した発電微生物菌相を用いた底質浄化型アノード(負極)と、CO2をメタンに変換する微生物(メタン生成菌)を植種したカソード(正極)槽を統合したCO2変換セルを試作した。

その結果、装置内に発生した電流のうち50%近くをCO2からのメタン変換に利用することができた。また、CO2をメタンに変換するカソードの微生物にはメタン生成古細菌のほか、ジオバクターなどの発電微生物が関わっていることを明らかにした。

同技術は底質浄化で得られた電力で直接CO2をメタンに変換できるため、従来のCO2変換に必要であった外部エネルギーや光エネルギーを削減又は不要とする。

また、底質浄化以外でも工場などで発生した有機性排水を浄化・発電しながらCO2をメタンなどの有用物質へ転換できる。さらに、ここで生成したメタンガスを燃料として使用し、後に発生するCO2を再度変換して循環利用できるという。

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