岩谷産業ほかの合弁会社ハイドロエッジ、液化水素製造能力を増強

水素エネルギー製造・販売のハイドロエッジ(大阪府堺市)はさきごろ、水素プラントの液化水素製造能力の増強工事を完了。プラントは4月1日より稼働した。

[画像・上:ハイドロエッジ(提供:岩谷産業)]

同社は岩谷産業が50%、関西電力が39.8%、堺LNG(堺市)が10.2%の比率で出資し、2006年に設立。堺LNGは関西電力、岩谷産業、コスモ石油、宇部興産が出資して設立した液化天然ガス(LNG)製造会社。ハイドロエッジへ水素の原料用にLNGを供給している。

ハイドロエッジは、そのLNGを天然ガスの状態にし、水蒸気を利用して改質することで液化水素を製造している。従来の水素製造設備は、1時間当たりの生産能力が6,000ℓ(3,000×2系列)。今回の設備増強で1系列加わり、合計生産能力は9,000ℓとなった。

液化水素は種子島宇宙センター(鹿児島県種子町)から打ち上げるロケットの燃料として使われているほか、半導体製造過程や化学工場で使用するなど産業用途での需要が年々増加している。さらに、燃料電池車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)による消費量が今後大幅に伸びていくと見込まれている。

岩谷産業は、国内唯一の液化水素サプライヤー。ハイドロエッジに続き、2009年に千葉県で岩谷瓦斯千葉工場(市原市)を稼働させた。2013年には山口県で液化水素製造プラント「山口リキッドハイドロジェン」(周南市)を稼働させ、国内3拠点体制で全国への供給を行ってきた。

今回のハイドロエッジの増強工事により、3拠点での年間製造能力は1億2,000万㎥になる。

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