「分散型エネルギープラットフォーム」全4回終了 需給一体型再エネ活用モデル構築に向け多様な課題抽出
- 2020/4/8
- 政策
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)04月06日付

経産省資源エネ庁/環境省 合同開催
官民が連携して需給一体型の再エネ活用モデル構築に取り組む上での課題の把握と解決策の提案を目指す「分散型エネルギープラットフォーム」の全4回が終了した。ポストFITへの動きの本格化や、拡大するRE100加盟企業SDGsの意識の広がりによる需要増など、再エネを巡る状況が大きく・広く変化する中、実際のプレイヤーの意識は高く、様々な業種からのべ600人が参加した。
[画像・上:分散型エネルギーモデルのイメージ。多様なリソース・技術を要素として含んでいる(資料:経産省資源エネ庁/環境省)]
●参加者も「分散型」形式で議論
分散型エネルギープラットフォーム(PF)は経済産業省資源エネルギー庁と環境省が共同で開催した。地域での分散型エネルギーシステム構築や需要家サイドの脱炭素化などをテーマに資源エネ庁と環境省が2019年4月に発足させた、「地域循環共生圏の形成と分散型エネルギーシステムの構築に向けた連携チーム」の取り組みの一環として実施された。
エネルギー、特に電力システムでは複数の大きな構造変化が並行して発生している。本PFではその変化を、太陽光発電コストの急激な低下、デジタル技術の発展、エネルギーシステム改革の進展、RE100やSDGsなどを契機とする再エネを求める需要家とこれに応える動き、多発する自然災害を踏まえた電力供給システムの強靱化(レジリエンス向上)の要請、再エネを活用した地域経済への取組、の6点に整理している。
これら6点全てに再エネ・分散型エネルギーが関与している、もしくは契機になっている。そしてPFはこれらの変化を「従来のエネルギー需給構造・電力需給構造に革新的な変化を及ぼす可能性が高い」と指摘する。
また2019年11月から卒FIT案件が出現していることもあり、今こそ分散型エネルギーをリソースとする新たなビジネスモデルを構築し、ひいてはエネルギー産業全体を活性化させる好機と言える。
そこで、非FIT案件電源中心や配電網内完結など、諸トレンドに合致した電力モデルとして浮上してくるのが需給一体型、つまり分散型エネルギーモデルになる。PFで行われていたのはこの分散型エネルギーモデル構築にあたっての課題抽出や解決の糸口を見出すための議論だ。
PFの会合は全4回開催された。この中で、第1回(2019年11月)では事例紹介とテーマ案提示が行われ、第4回(2019年3月)では結果報告が行われた。PFの本番と言えるのが第2回(2020年1月)と第3回(同2月)で、参加者のテーマ別に分かれてテーブルに着座し、それぞれがディスカッションを行った。省庁の会合だと、前方の壇上に話者が立ち、聴衆がそれを聞く座学方式が一般的だが、PFは開催形式からして「分散型」であった。なお第1回は公開、第2回と第3回は参加者・関係者以外は非公開、第4回は新型肺炎への対応で録画が公開される形で、それぞれ開催されている。

